133部分:第十六話 西部にてその三
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第十六話 西部にてその三
「そして狂闘士は九人ですか」
「八大公の一人を入れて十人」
ドイツでの戦いと同じ数であった。
「対するこちらは七人です」
アステリオンが述べた。
「全員で」
「そして狂闘士には無数の兵達がいます」
トレミーはその狂闘士の兵達について言及した。
「インプ達が」
「その兵達の相手は御前達に任せる」
シュラはインプ達の名を聞いてこう言った。
「狂闘士達はこのシュラが相手をする」
「シュラ様御一人でですか?」
「それは」
「構うことはない」
驚きの声をあげるサミュエルとザンドルフに返す。
「奴等は魔神だ」
「はい、そうです」
「その戦衣にあるのは」
またトレミーとアステリオンが応える。彼等の戦衣は古の魔神達のものだ。すなわちそれを身に纏う彼等こそ魔神なのである。
「その十人の魔神達の相手を御一人で為さるのは」
「どうも」
「黄金聖闘士を甘く見ないことだ」
オズとライマンに返す声は先程よりも鋭いものになっていた。
「その覚悟なくしてなれるものではない」
「覚悟なくしてですか」
「そういうことだ。そして」
「そして?」
「まずはここで来たか」
シュラの言葉が短いものになった。
「思ったより早かったな」
「むっ!?」
「この小宇宙は」
アステリオン達も気付いたのだった。車の周りに無数の小宇宙が集まっていることに。そしてその小宇宙はどれも殺気に満ちたものだった。
「貴様等、まさか」
「アーレスの者達か」
「如何にも」
彼等は車から出て来たそのアステリオン達に対して答えた。
「我等はインプ」
「この戦衣を見ればわかるな」
「ふん、雑兵か」
トレミーは彼等の名を聞いてあえて挑発するように言葉を出した。
「雑兵共が我等を防ぐつもりか」
「ただの雑兵とは思わないことだな」
「少なくとも聖域の兵隊共とは違うぞ」
「何っ!?」
「聖域を愚弄するのか」
今のインプ達の言葉に青銅の者達も反応を示した。
「ならば相手になるぞ」
「いいか?」
「いいかも何もここで貴様等を倒すつもりだ」
「我等でな」
「愚かな」
アステリオンは彼等のその言葉を受けてそのうえで彼等に対して冷笑を与えた。
「このアステリオンの速さに貴様等程度が適うと思っているのか」
「ハウンドのアステリオンか」
「如何にも」
また彼等に対して答えた。
「その通りだ。名前は知っているようだな」
「ここで白銀聖闘士を倒せば」
「今後の戦いが有利になる」
インプ達は三叉の槍を手にジリ、と前に出たのだった。
「覚悟するのだ、ハウンドよ」
「他の聖闘士達もな」
「トレミー」
アステリオンは目を一旦閉じて傍らにいるトレミーに声をかけた。
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