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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜番外編 語り継がれなかった軌跡篇
外伝〜”嵐の剣神”誕生秘話〜前篇
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表情でセリカを見つめ、リンは疲れた表情で溜息を吐いた。

(クク、確かに一理あるな。)

「――――レウィニアは基本王族が納めている形だが真の主は土着神――――つまり”神”である”水の巫女”だ。そして俺は”水の巫女”とは盟友同士の関係の為、客将という形でレウィニアに滞在している。よってレウィニアの貴族や王族共は俺に指示できる権利はない上、”水の巫女”が出す依頼を受けるかどうかも俺の判断に任せられている。」

レウィニア神権国の話を信じられない様子でいるゼムリア大陸の人々にハイシェラは口元に笑みを浮かべ、セリカは静かな表情で説明した。

「つまりアナタは”国”どころか”神”すらも命令できない立場なのね………」

「神様が直接納めている国ってどんな国なのかしら?」

「というかフェミリンスといい、セリカさんといい、異世界には何でそんなに”神”がいるんだ!?」

説明を聞いたミシェルは表情を引き攣らせ、エオリアは不思議そうな表情をし、異世界の非常識さにスコットは疲れた表情で指摘し

「フフ、水が綺麗な国ですよ。」

「まあ、世界広しと言えど、セリカを受け入れる”神”等、”水の巫女”ぐらいじゃろうな。」

ミシェル達の反応を見たリタは微笑み、レシェンテは苦笑いしていた。

「フェミリンスさんの時から疑問に思っていたが……何故エステルは異世界の神々と知り合い同士なんだ?」

「しかもわざわざ力を貸しに異世界からはるばる来た上、あんたの頼み――――あたし達の仕事の手伝いまで引き受けてくれるぐらい親しいし……一体何があったんだい?」

「アハハ………”影の国”がきっかけになって親しくなったんだ。」

「”影の国”………!」

「………確か”輝く(オーリオール)”の件が終わって半年後にお前達が巻き込まれた事件か。」

エステルの口から予想もしていなかった自分達も知る事件を知ったミシェルは驚き、アリオスは静かな表情で語った。

「フフ、懐かしいですね……」

「うむ。しかしこのクロスベルで共に戦ったヴァイスハイトやティオと再会するとは思わなかったがの。」

「ハアッ!?ヴァイスハイトってまさか……クロスベル警察局長になった”六銃士”の”黄金の戦王”!?」

「しかもティオちゃんも”影の国”に巻き込まれたですって!?」

「思いがけない人物達の名前まで出てきたな………」

リタとレシェンテの会話から出てきた予想外の名前にミシェルとエオリアは声を上げ、ヴェンツェルは信じられない表情をしていた。

「アハハ……ヴァイスさんと再会した時はあたし達もビックリしたけどね〜。」

「まあ、あの人はねえ……?」

「再会できたこと自体が”ありえない”と言ってもおかしくありませんわ。」


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