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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜番外編 語り継がれなかった軌跡篇
外伝〜2度目の恋〜後篇
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さ”を自分の身体を使って教える事ができた事です。だからリウイさんはメンフィル王国の兵士ではない村の人々を解放したのでしょう?」

「………あの時はただの気まぐれだ…………」

一瞬かつて愛した妻の一人であるティナと相対している事を錯覚したリウイは重々しい様子を纏って答えた。

「それでもいいんです。リウイさんはちゃんと、村の人々を解放し………国中の人々に慕われる立派な王様になって……国を守る為に自ら先頭に立って戦って………多くの人々の生活を守りましたから。それに………イリーナさんを失って悲しみにくれていたにも関わらず、ティナの事も気遣ってくれ……心から愛してくれたのですから。」

「……………………………………何故、そんな事が断言できる。」

優しげな微笑みを浮かべたセシルとティナの優しげな微笑みが重なった事に内心驚いているリウイは静かに問いかけた。

「ティナの妊娠が分かった時、位もないただの神官であり………平民であるティナを正式な側室として迎えて、リウイさん自らがティナに頼んでティナに貴族の位を与えて皇族の一員として迎えましたよね?私は身分の違いに関してあまり詳しくないですが………それでも唯の神官であり、平民であるティナを正式な皇族にする際、周りの人達から反対の声があったはずなのに、その声を押し切ってティナを大切にした事はわかります。」

「……………元々ティナは”幻燐戦争”で多くの兵達や民達の傷や心を癒した事で国内でも慕われていたからな。俺の周りからは反対の声はなかったな。………まあ、俺達マーシルン家に対して恨みや妬みを持つ貴族共は影でティナの罵倒を言い合っていたらしいが……そいつらも他の重罪などの関係で全員処罰したからな。それ程苦労はしなかったさ。それに………産まれて来る子供に俺のような苦労はさせたくなかったからな。」

「ほら、優しいじゃないですか。ちゃんと産まれて来る赤ちゃんの未来も考えていますよね?」

「………………フッ…………これは一本取られたな………」

笑顔で指摘したセシルの言葉を聞いたリウイは固まった後やがて苦笑いをしながらセシルを見つめていた。前世の縁を持つセシルとセシルの前世を知るリウイとの会話は初対面であるにも関わらず、不思議と話がはずみ、ペテレーネも交えて共に夕食を取りながら様々な話をしているとあっという間に時間は過ぎた。



〜数時間後〜



「もうこんな時間か………そろそろホテルに戻らなくていいのか?」

ふと時計の時間に視線を向けたリウイはセシルを見つめて尋ねた。

「その……実はまだ部屋の予約もしていないんです……勢いで来てしまったので……」

「そうか……だったら今夜はこの大使館に泊まっていくか?部屋なら余っている。」

「え?…………………
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