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アンジュリーゼ物語
第15話 ジュリオの遺書
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こちらはミスルギ皇国の皇宮。
サリアとクリスは、説教されていた。

アンジュリーゼ「かつての仲間になんてことを言うのですか!?」
サリア「何をえらそうなこと言っているの?私が第一中隊の隊長になったのも、ヴィルキスを取られたのもあなたのせいなんだから!私が慕うのはエンブリヲ様だけ。」

エルシャ「クリス、アルゼナルの仲間たちに何てことを言うの!?」
クリス「私はヒルダにもロザリーにも捨てられたんだ。あんな奴ら、もう友達なんかじゃない。」

サリアとクリスは、表の顔を見せたのでその後も不機嫌そうな顔をし続けた。

モモカ「シルヴィア様、今日も公務お疲れ様です。」
モモカはシルヴィアの机に紅茶を置く。
シルヴィアは、引き出したことのない「机の引き出し」から、ジュリオの日記を見つけ、それを読んだ。


"今日、私はアンジュリーゼの正体を暴いた。
母上たる皇后は自害し、父上たる皇帝は拘束され、私はミスルギ皇国を乗っ取ることに成功した。
父上は、ノーマを嫌う私に対して、皇帝の座を譲れないと言ってきた。
しかし、父上が拘束されたことで皇帝の座が得られたのは夢のようだ。
私は皇帝として、強い責任感と指導力でこの国を統治してみせる。
ノーマ根絶は、自身がノーマであるアンジュリーゼの願いの一つであった。
そんな彼女の願いを、兄として叶えてやりたい。
しかし彼女には申し訳ないことをした。
だが私が皇帝となって、彼女の望むノーマのいない世界を作って見せたい。
その所を天国で見てくれ、母上よ。"

シルヴィアは、ジュリオはアンジュリーゼもノーマを嫌っていたのだなと思う。

"裁判で父上に死刑判決が下った。
父上は、ノーマ根絶のための努力をしてきたのか。
ノーマを匿うことでノーマがいないよう見せつけるなど非常に浅はかなやり方だ。
"

"父は刑死した。
私の家族は、シルヴィアのみとなった。
アンジュリーゼは今は無事でいるだろうか。
出来れば彼女に、ノーマのいない世界を見せてやりたい。
"

"私はミスルギ皇国国防軍の大佐に選ばれた。
皇帝でもあり大佐でもあるなんて、どれだけ凄いことか。"

"我々連合軍は、エンブリヲ様の命令により、ヴィルキスとアンジュリーゼを確保すべくアルゼナルに向かう。
もしかしたら、私はアルゼナルでの戦いで命を落とすかもしれない。
そうなったら私の葬式を盛大に行いたまえ。
我が愛するミスルギ皇国民よ、この言葉を遺言と思い深く胸に刻みたまえ。"


シルヴィアは震えあがった。
ジュリオを死に至らしめた張本人がエンブリヲだったなど、思いもよらなかったのだ。

シルヴィアは早速、ローゼンブルム王国のパラメイル製造工場に注文を出した。
エンブリヲの脅威と戦うミスルギ防
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