第三十四話 あちこちでその十四
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「三時半らしいわよ」
「まだ夜ですよ」
「それで厳しい修行をするのよ」
「凄いですね」
「ちなみに禅宗は修行であまり寝ないから」
何でも睡眠欲という煩悩に勝つ為にそうしているらしいです。
「四時間よ」
「六時間か七時間寝ないと駄目なんじゃ」
「そこを抑えてるのよ」
昔からそうしているらしいです、禅宗では。
「あえてね」
「厳しいですね」
「それでもなのよ」
実際にとです、私は阿波野君にこのことお話しました。
「禅宗はね」
「天理教はそういうのないんですね」
「睡眠時間まではね」
本当にとてもです。
「言わないわよ」
「そうなんですね」
「ただ、二部の女子寮は昔は厳しくて」
「あまり寝られなかったんですね」
「四時半起きだったらしいから」
「それでも禅宗より長いですよね」
「一時間はね」
起きる時間が、です。
「それに早く寝てたから」
「まだ大丈夫ですか」
「ええ、まだね」
その昔でもです、尚二部っていうのは天理高校第二部のことで他の学校で言う夜間高校です。制服も校舎も一緒です。
「禅宗よりはね」
「というか禅宗が凄いんじゃ」
「修行が厳しいのが禅宗だから」
「そうですよね」
「また違うわね」
「はい、確かに」
阿波野君も納得してくれた感じでした、私達は祖霊殿から今度は北の西の礼拝堂の方に向かいました、もうすぐ終わりです。
「そう言われますと」
「宗教が違うから」
「やることも違うんですね」
「まあ厳しい伏せ込みしたいなら」
私は阿波野君にお話しました。
「自分でね」
「すればいいんですね」
「少ししか寝なくて教典読んだりひのきしんしたり」
「そういうことをすればいいんですか」
「ええ、ただ宗教が違うから」
また阿波野君にこのことを断りました。
「天理教はそうしたことはしないわよ」
「やらないと駄目ってことはないんですね」
「そうよ」
「そうですか、宗教でも厳しい修行するとは限らないんですね」
「同じ仏教でも宗派が違うと」
それで、です。
「しないわよ」
「そうなんですね」
「宗派って大事なのよ」
「同じって訳じゃなくて」
「それこそよ」
私は阿波野君に断りを入れました。
「禅宗と日蓮宗と浄土宗と真言宗で全然違うのよ」
「それぞれなんですね」
「学校の授業だt宗派が違うって言う位よね」
本当にそれ位です、学校の授業ですと。
「そうよね」
「まあそんな風ですね」
「けれど実際は違うの」
「禅宗は厳しい修行をしてるんですね」
「あの宗派はね」
「それで他の宗派は」
「修行していてもまた違うの」
禅宗が特別厳しいです、私が見たところ。
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