第三十四話 あちこちでその十三
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「いさんでるわね」
「あっ、おみちにですね」
「ええ、かなり意外だけれど」
阿波野君は凄くいい加減な子だからです、そもそもこうしてひのきしんに励むなんてことも想像も出来ませんでした。
「立派よ」
「褒められると嬉しいですね」
「調子に乗らないの」
すぐにむっとして注意しました。ちなみにいさんでいるとはおみち、天理教の教えに添って真面目に信心したりにおいがけと呼ばれる布教をしたり今みたいにひのきしんに励んでいることを天理教ではこう呼びます。
「そこで」
「あっ、そうですか」
「そうよ、全く。けれどね」
「いさんでいることはですね」
「いいことよ」
このことはと言いました。
「このまま続けると最高にいいわ」
「じゃあ頑張りますね」
「それでだけれど」
祖霊殿に向かいつつです、私は阿波野君に尋ねました。
「ここが終わったらどうするの?」
「あとは詰所ですか」
「言った通りに」
「そこからお昼ですか」
「そうね、もういい時間ね」
「もうお話してますので」
詰所の方にはというのです、詰所でお昼御飯を食べるには前以てお話をしてお金を払う必要があります。二百五十円位でしょうか。
「カレー頂きます」
「日曜だからね」
「カレーですよね」
「それはもう決まってるわ」
おぢばでは日曜のお昼はカレーです、それで曜日もわかります。
「しかもあのカレー美味しいのよね」
「三杯は食べてますよ、いつも」
「男の子だから」
「もう食べないと動けないんですよ」
「こうして回廊拭くのも結構以上にカロリー使うしね」
「これかなり汗かきますよね」
「夏にやったら凄いわよ」
もう身体中汗だらけになってしまいます、おぢばがえりの時はこのひのきしんも催しになっていたりします。
「かなり汗かくから」
「でしょうね」
「おぢばに伏せこんでる人で毎朝してる人もおられるし」
「毎朝ですか」
「そう、四時半とか五時に起きてね」
宗教関係の人は早起きです、このことは天理教でも同じです。それで毎朝そうした時間に起きる人もいるのです。
「回廊ひのきしんにいさんでるの」
「ランニングと一緒ですね」
「ええ、そんな感じでね」
実際にです。
「しておられる方もいるわよ」
「四時半起きも凄いですね」
阿波野君は素直に驚いていました、ここで祖霊殿の前に来たので。
また止まって礼拝をしました、そしてまたひのきしんです。
そうしながらです、阿波野君羽また言いました。
「僕なんか朝弱いですから」
「どうせ遅寝なんでしょ」
「十二時ですね、寝るのは」
「それなら普通?けれどね」
私は実際こう思いました。
「そうした人は十時にもうだから」
「十時ですか」
「早い人は早いし」
それにとです、
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