大切な時間 【名前はまだ無い♪】
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とある日の休日。少女は高校の友達二人と遊ぶ為、待ち合わせ場所の駅前で立っていた。
「う〜ん。早く来過ぎちゃったかな?」
少女は腕時計を見ると改めて辺りを見渡す。そしてふと、自分のことを見てる女性に気付く。
少女は女性に見られる原因が分からず、自身の格好を見直す。
青のワンピースに薄黄色のパーカー、白のニーソ。この日は過ごしやすい気温な為、特におかしいことのない服装。顔に何か付いているのかと思い手鏡を取り出し映すも、そこには見慣れた顔が映るだけ。やはりおかしな箇所はない。
「こんにちは」
「こ、こんにちは」
他に何か原因はないかと考えていると、件の女性に話しかけられる。少し吃りながらも挨拶を返す。
少女の反応に女性は優しい笑みを浮かべると隣に立ち、壁に寄り掛かる。
「あなた、μ'sの小泉花陽さん、だよね」
「は、はい! えと、あの」
「急にゴメンね。私のことはそうね……ハナって呼んで」
「ハナさん、ですか……」
花陽はハナと名乗る女性に訝しげな視線を送る。その視線に気付いたハナはニッコリ笑うと話を続ける。
「そうそう、私が話しかけたのはね、実は私、あなたのファンなの」
「え、えぇぇええ!」
「そんなに驚く事じゃないよ?あなた達「μ's」ってそうとう有名なんだから。私の友達も言ってたよ?」
落ち着いた花陽にハナはウィンクをしながら話す。
「あ、あの、ハナさんは一体いつから……?」
「ファンになったか、だよね。私がファンになったのは二本目の配信動画、つまり「これからのSomeday」の時からかな」
「そ、そんなに早くから……ありがとうございます」
花陽は嬉しさから頭を下げ、お礼を言う。またそれほど初期から応援してくれているファンの人とこうして出会え、話している。その喜びを胸の中で?み締める。
「それで偶然見かけたから、花陽ちゃんの友達が来るまでお話しできないかなぁ、って思って、話しかけちゃった。迷惑、だったかな?」
「い、いえいえ! 私も少し早く来過ぎちゃってどうしようって思ってたので」
「そっか。それなら良かった」
ハナは安心したように息を吐き、笑顔を浮かべる。花陽もそれにつられて笑顔になる。
「そっか。花陽ちゃんはお米が好きなんだ」
「はい! 一日五食全部白米でも構いません!」
「でもそれだけ食べるとお腹周りとか大変なんじゃない?」
ハナが興奮して話す花陽の顔から視線を少し下げる。視線に気付いた花陽は少し頬を赤くし、お腹を隠す。
「うぅ……あんまり見ないで下さい……」
「あははは、ゴメンね。私も昔気にしてたから」
「ハナさんも、ですか?」
花陽は笑顔を浮かべながらも謝るハナを見る。
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