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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
21話 一夏VS鈴 その1
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 織斑 一夏と鳳 鈴音の試合当日、第2アリーナ第1試合。両者はそれぞれ対峙していた。

「……鬼一さん、もし居心地が悪いのであれば移動しても構いませんわよ?」

「……つっきー、誘ってなんか、ごめん……」

「僕は別に構いませんよ? というか、今から移動しても何処も場所埋まってますよ。だったらここから動かない方がいいでしょう」

 男性初の操縦者とIS操縦者人口ナンバーワンの大国中国の代表候補生の戦いなだけあって、アリーナは満席の状態。見渡す限り埋め尽くされており、アリーナ上部の通路も全て埋まるほどだ。どうやら1年生以外の学年も見に来ているようだった。

 鬼一、セシリア、本音、そして本音の友人である同じクラスメイトである相川 清香、鷹月 静寐などが同席していた。並び順としては左からセシリア、鬼一、本音、清香、静寐である。

 鬼一はIS学園において、一夏に比べて異性の評価は宜しくない。セシリアとの1件が原因でもあったが、女尊男卑を是としないその姿勢が最大の要因であった。さらに言えば鬼一はそれを隠そうともしていない。

 多数の女子からすれば鬼一の存在はウザったいものでしかない。たかが男の分際で女を小馬鹿にしていることが許せないのだろう。結果として鬼一に向けられている視線は決して良いものではない。

 だが、鬼一は女性を決して馬鹿にしているわけではない。馬鹿にしているというよりも気に食わないが正しいだろうか。安全圏から大口を叩く、人を貶める、人を傷つけるような手合いが嫌いなだけなのだ。

 それでも鬼一を嫌っているわけではない人間も一定数存在する。代表的なのがセシリアや楯無だが、本音や本音の付き合いのある清香や静寐もそれに含まれていた。
 鬼一は周りの視線を特に気にした風もなく、アリーナ内の2人を眺めている。その姿は少々苛立ちが混じっているようにも見えた。どうやら、自分が戦えていないことに苛立ちを覚えているようだ。自分でクラス代表を辞退したが、それでも鈴のような強者とガチンコで戦えるのはやはり魅力に感じているのは間違いなかった。

 セシリアや本音は鬼一が何を考えているのかなんとなく理解しているようだったが、他の2人はそういうわけではない。傍から見れば鬼一はイラついているようにしか見えないのだから。

「つっきー、やっぱりあそこに立っていたかったの?」

「……断っといて何考えてんだ、って話ですけどね。公式戦のプレッシャーの中で戦えるってのは楽しいものですから」

 肩を竦めて苦笑いする鬼一。その姿を見て清香と静寐は安心したように息を零す。2人とも罪悪感を持っていたからだ。本音を通じて鬼一を誘ったのはこの2人だったのだから。
 単純に鬼一と仲良くなりたかったというのもあるが、一部を除いて初心者しかいない
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