21話 一夏VS鈴 その1
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わけがない、そう考えている人は多いと思います。まったくの別人なんだから無意味なんですけど」
無意味だろうに。そう続けて鬼一の視線は同意を求めるように隣の3人に向けられる。鬼一にその意図があったかは分からないが、少なくとも推薦した清香と静寐を責めているように3人は感じた。
「……」
「ね、ねえ月夜くん?」
青い顔のまま清香は無言になり、静寐は鬼一に質問した。
「なんです?」
「クラス代表の投票の時、私たちが真剣に考えていたら変わっていたかな?」
その問いに鬼一は目を細め考える。果たしてどうなっていたのか。
「……別に大した違いはないと思いますよ。クラス代表になっていたのはセシリアさんになっていただけのことです。むしろ今ではある意味正解だったんじゃないかとさえ俺は考えてます」
「……どうして?」
「目的が同じなら遅かれ早かれ一夏さんは舞台に立っていたからですよ。それなら少しでも多く場数を踏んだほうがいいです。それこそ自分をボロボロに追い詰めてでもね」
「で、でもそれで織斑くんが潰れちゃったら……」
心配そうな声を出す清香だったが鬼一は一蹴する。
「最終的には自分の意思であそこに立ったんです。誰にも文句は言えません。そして誰も文句をいうことはできません」
一夏がクラス代表になった件について、最終的にクラス代表になることを受け入れたのは一夏なのは決して変わらない。それに対して誰も文句を言うことはできないし、自分だって文句を言うことは出来ない。
「潰れるならまた復活すればいいだけの話ですし、そこで潰れるなら―――」
その時の鬼一の笑顔は寒気を抱かせるほどの不気味さを宿していた。
「まぁ、その程度だった。ということじゃないですか?」
―――――――――
ドクン、ドクン、と鼓動が自分でもハッキリと聞き取れた。
それが自分の心臓の音だと最初気づかなかったのは当然だったかもしれない。初めての経験なのだから、最初それが何なのか分かるわけがない。
鬼一はこれが公式戦だと言った。公式戦と言ってもIS学園で正式に記録され保管されるものだ。同時にこれは他の生徒達も見ることができるということ、そして正式な手順を踏めば外部の人間、ISに関連した人間も見れるということだ。
その危険性を俺はまだ良く理解していないのだから、まあ、それはいい。
ここで重要なのはそんなことではない。
少し前に言ったことが脳裏に蘇る。
―――織斑 一夏というクラス代表がこの程度なら、他のクラスメイトの評価などたかが知れたもの。
それが俺の身体を固まらせていた。もっと言えば、クラスメイトの評価もそうだが姉であり1年1組の教師の千冬姉のこと
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