21話 一夏VS鈴 その1
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の集中力は代表候補生に相応しいものだがそれでも限界は存在する。
「徹底的にタイミングで揺さぶり、鈴さんの意識を外すしかない。全てを意識することが困難ならミスも生まれる。一夏さんが鈴さんの意識が薄くなるそのタイミングで踏み込めれば、まあ、勝ちの目は出てくるかと」
勝ち、というよりも絶対防御を発動させれるチャンスだが。
「でも鳳さんのISの『龍砲』も強力なんでしょ? それだったらそれをメインにして中距離から戦うっていう選択肢もあるんじゃ……」
「選択肢には入りますけど、それだけでケリはつきませんよ。最終的には近接戦が全てになります」
静寐の考えをあっさりと否定する鬼一。自分の考えをあっさりと否定された静寐だが鬼一に不快感を抱いたりせずに、思考する。
「うーん? なんでそんな言い切れるの? 私はどうしてもその方が戦いやすいと思うんだけどなぁ……」
そう。確かに静寐の言う通りなのだ。
一夏の手札が鬼一やセシリアに比べて少ない以上、龍砲をメインに試合を組み立てたほうがリスク軽減しながら戦えるというのは間違いない。龍砲には一定の火力も存在する以上、それだけで決着がつくのも考えられる。
だが、それはあくまでも人間をいれないISだけの話である。
「……難しい問題ですよ? 鈴さんは勝利とプライドが連結している人間ですから。いや、正確には勝利するための過程とプライドか」
「……えっ?」
鬼一の予想外の言葉に疑問の声を上げたセシリア以外の3人。
「勝利とプライドを別に分けられるならともかくとして、IS操縦者もプロゲーマーもある意味では其の辺は似ています」
どちらも勝利を求める生き物でどちらもとても我の強い、誇りのある人種なのだ。その誇りさえも鬼一は利用とするのが他の人間との大きな違いだが。
「自分の信じる方法で勝つことが自分や相手に誇れる、ということです。鈴さんは近接戦に置いて絶対のプライドを持っていますからね。相手が昔からの知り合いの一夏さんということもあって、意地でも近接戦に拘ると思いますよ?」
それに、鈴は鬼一との戦いで自分のスタイルを曲げられている。そのことを悔やんでいるのも疑いようがない。
ならば、この試合では意地でも自分のスタイルを押し通そうとするだろう。上に登る人間というのは言葉にし難い頑固者でもあるのだ。
その言葉に他の3人は顔を顰める。どうやらそこまでは考えていなかったようだ。
ニヤリ、と鬼一は笑みを浮かべる。それは傍から見れば少々邪悪な笑顔。楽しそうに笑う。いや、実際に楽しんでいるのだろう。
「ついでに皆さんに質問してもよろしいでしょうか? 今、僕は鈴さんの心理的な問題から何をするかという話をしましたが、じゃあ、逆に一夏さん
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