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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
21話 一夏VS鈴 その1
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しくなるのよ!」

「っ!?」

「私はあんたと『真剣勝負』がしたいからここに立っている! 其処に犠牲だとかそんなもんは少しも混ざっていないわよ!」

「私を見なさい! 勝負の相手を見なさい! 私のことを考えなさい! それ以外のことを見て考えて、どうやって勝つって言うのよ!?」

 鈴自身も自分が何を言っているのか正確には理解出来ない。だけど、自分がここに立っている以上は余計なことは考えて欲しくない。この瞬間だけは鈴は一夏を独占できるのだから。

「……悪い、鈴」

 表情は暗いが、先程よりも一夏の表情は軽いものになっている。それは鈴の視線に真っ向から迎えることが出来るくらいには。

「……さっきより少しだけマシなツラになったわね。それでいいのよ」

『織斑 一夏くん。所定の位置にまで移動してください』

「……鈴は真剣勝負と犠牲を伴う戦いは違うと思っているのか?」

 鈴に問いかけながらも一夏は移動を開始。それはつまり、周りの声が聞こえるくらいには冷静になれたということでもある。

「全然違うわよ。戦いは大なり小なり傷つくことや傷つけられることのある勝負、他人すらも巻き込むこと。真剣勝負っていうのは互いの全力をぶつけ合うことだけを指すのよ。そこに他者が介入する余地はないことだと思うわ。鬼一の言う戦いは多分、私の認識とそう違いはない。セシリアもね。でも勝負は、鬼一のはもう少し違うかもしれないわね」

「どんなふうにだ?」

「人と人、互いの全てを出し切って戦うこと、自分にも相手にも誇れること、じゃないかしら。……人と人で成り立つものだからこそ人を侮るような真似を許せないんじゃないかしらあいつは。セシリアとの1件は私も聞いてるわよ」

「……思い出した」

 ―――勝負の場に性別なんて関係ない。

 ―――ハンデというものは勝負においては相手を貶める行為で自分を誇れなくする行為なんだ。

 ―――土俵が同じなのに絶対なんてものは存在しない。

 ―――勝負の場で相手を尊敬し自分の為に相手を倒す。

 ―――戦うということを、何かを得るために何かを失うこと。

 ―――戦うということを、戦ってきた中で少しでも犠牲にしてきたものに報いること。

 ―――たくさんの人を傷つけ、蹴落として、安全圏の人間には理解できないほどの痛みや業を背負うこと。

「……勘違い、してたんだな」

「まだあるとは思うんだけどね。それと一夏? これは私の考えなんだけどさ。勝負に関してはなんだけど他者の考えや価値観なんてのは一切入りこまないの。あんたに分かりやすく言えば、そういうアホどもの評価に振り回されることなんてないのよ。千冬さんのことも含めてね。そもそも、そんなものに振り回されるほど千冬さんの
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