第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#21
DARK BLUE MOONXIII 〜D・A・H・L・I・A〜
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状態は限りなく無防備に等しく、
このままでは地の利の在るマージョリーの攻撃を
一方的に受け続けると 『解っているにも関わらず』
「大、丈夫……平、気……」
線の震える顔で、少女は笑った。
「ッッ!!」
このままでは共倒れ。
そう長い時をかけず少女は自分に引き擦られて落ちる。
その後に狙われるのはラミー。
ガラスの橋梁 に立つ女は、既に次の焔儀発動の構えに入っている。
故に、彼が出した結論は。
「承太郎ッ!?」
驚愕するシャナを真上に、承太郎はスタンドの手を高速で反転させ
彼女の小さな手を無理矢理振り解いた。
心中に様々な思惑が渦巻いてはいたが、いざ行動に移した時の心情は
たった一つの単純な答え。
自分が少女の為に傷つくのは構わない、だがその 『逆』 はダメだ。
「――ッッ!!」
瞬く間に重力の魔に縛られ小さくなっていく承太郎に、
シャナは声無き叫びをあげてもう届かない手を伸ばす。
その刹那に、承太郎はあらん限りの感情を込め、真紅の瞳に呼び掛けた。
(行け……シャナ……オレの事ァ構うンじゃあねぇ……!)
(でも……! でも……ッ!)
瞳を潤ませ尚も追い縋ろうとする少女に、彼は恫喝するように告げる。
“フレイムヘイズだろッッ!!”
(――ッッ!!)
烈しい衝動と共に見開く少女の瞳。
対して承太郎は、超高速で眼下に迫る災厄を見る。
絶息の重力落下地獄の終着点。
美術館一階に設置された噴水池を圧し潰して堆 く積み上がった、
夥しいガラスと鉄片で構成された残骸の墓標に。
その秒速の随 にも、光速に等しき速度で演算される
彼の 「戦闘の思考」
(……やれやれ、吹き抜けだから掴まれる場所はどこにもねぇ、
しかも墜ちる先はガラスと鉄骨の針山、
防御してもスタープラチナは兎も角、「本体」のオレが保たねぇな。
良くて再起不能、ヘタすりゃ死ぬな)
絶望的な解答が導き出される中、しかし彼の勇壮なる風貌は不敵な笑みを絶やさない。
(しょうがねぇ。まだチョイ練習が足りねぇが、 “アレ” を試してみるか)
同時にそのライトグリーンの瞳で燃え上がる決意の炎。
(フッ、面白ぇ、分の悪い賭けほど、面白ぇモンは他にねーぜッ!)
魂の喚声と共に発現するスタンド、『星 の 白 金』
しかし彼が心中で決した新たなる流法の発動準備に入るよりも疾く、
その頭上から同様の決意を固めた存在が紅い流星のように迫ってきた。
(シャナ!?)
何故来たという論難よりも、バカな!? という驚愕が
脳裡を貫いた承太郎に反発するかの如く、少女の裡で湧
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