40.因果と言う言葉がある。ヤればデきる。因果である。
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<チゾットの山道>
俺達はチゾットの山道と言う洞窟内を彷徨う。
高地にある為空気も薄く、陰鬱な雰囲気を漂わせる洞窟だ。
俺はそんな雰囲気を払拭させる為『手のひらを太陽に』を熱唱する。
歌詞の内容が気に入らないのか、アンデット系のモンスターが襲ってくる。
アンデット系が嫌いな俺は、戦闘はせずにただ歌う。
大声で歌う!
腕を振って歌う!!
同じ歌をリピートして歌っていた為、皆歌詞を覚えた様でピエール達までもが歌う!
そして戦う。(俺以外)
みんな俺色に染まってきた様だ…
しかし…ビアンカだけ気分が悪そうに俯いている…
最も、ゾンビが吹き飛ぶのを見て、気分爽快になる奴の方がおかしい。
とは言え心配だし、ビアンカには何時も笑顔で居てほしい!
「ビアンカ…気分悪いのなら馬車で休んで良いよ。ムリは良くないから」
「ううん…大丈夫よ…アンデット系には私のメラが必要でしょ。だから…」
相変わらず真面目というか、責任感が強い…
姉さん女房の所為か、俺に甘えるという事が少ない!
遠慮せず甘えてほしいのにぃ…
「大丈夫だよ、ビアンカ。マーリンもメラは唱えられるし、ピエールは強いから」
「ありがとう。でも大丈夫。もう少しで外へ出れそうだし…外の空気を吸えば治るから…」
そう言うと歩き出すビアンカが、心配で堪らない。
<チゾット>
ビアンカSIDE
気が付くと、リュカが寝ている私を覗き込んでいた。
今にも泣きそうな表情で…
ヤダ…なんて顔してんの…この子…
「ビアンカ…大丈夫?」
思い出した…私、村に着いてすぐ倒れたんだ…
私のせいでリュカは泣きそうな顔してる。
「ごめんね、リュカ。私はもう大丈夫だから…」
「ビアンカ…一度お義父さんの所に戻ろう」
「な、何言ってんの!もう少しでグランバニアなのよ!アナタの生まれた国なのよ!」
「そんな確証ないよ」
アイシス様を信用してないわねぇ…
「それにビアンカ…妊娠してる」
「……………え!?」
「ビアンカを抱き抱えた時に感じたんだ。ビアンカの中に命の暖かみがある事に」
何で本人が自覚してない事が分かるのよ…でも…リュカの事だから、本当なんだろうなぁ…
「だったら尚更行かないと。私はグランバニアで出産したいの!」
「え!で、でも…」
「これ以上遅れると、私は更に足手まといになる!リュカと一緒にグランバニアへ行きたいの…せめて…そこまでは…」
私は泣いていた…我が儘を言った上、泣いてリュカを困らせている。
リュカが私の涙をハンカチで拭ってくれる。
見るとリュカの目からも涙が一筋…
リュカの涙を私が拭う…
そう言えばレヌール城でも、こんな場面あったわね…
「分かったよビアンカ…でも、無理はしちゃ絶対ダメ!基本、馬車の中で待機」
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