暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第30話 「燃える小学生」
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何で……何で当たらないのよ!
あたし――アリサ・バニングスは現在非常に苛立ちを覚えている。それもこれも理由は目の前に居る漆黒のロングコートを纏った剣士のせいだ。
「このっ!」
相棒であるフレイムアイズを振るって炎刃を次々と放つ。が、どれもこれも漆黒の剣士は軽々と回避する。
ううん……回避するだけならまだいいのよ。あたしがこんなにも苛立ちを覚えるのは、全ての炎刃を紙一重で避けられるからで。
今あたしが相手をしているのは、全国No1デュエリストであるシュテルと同等の実力を持つと言われているショウさんだ。なぜデュエルをしているかというと、1か月後に開催されることになったデュエリストの頂点を決めるイベント《ブレイブグランプリ》のために個人スキルを磨くためだ。
今日は単純になのは達と予定が合わなかったからってのも理由ではあるけど、あたしの周りでフェンサータイプなのってショウさんだけなのよね。機会があれば色々と教えてほしいと思ってただけに今日はある意味運が良かったんだけど……。
「今の数じゃ足りないってんなら!」
これまでよりもさらに撃ち出す炎刃を増やす。
しかし、ショウさんは慌てた様子を一切見せることなく、しなるように飛んで来る炎の刃を華麗な動きで回避していく。
同じフェンサータイプでもショウさんは、アミタさん達の特訓を受ける前とはいえあたし達5人をひとりで倒したデュエリストだ。あたしなんかよりずっと強いってのは分かってた。けど……だからって負けてもいいなんてあたしは思えない。
そう思うだけに自分の攻撃が当たらないことにも苛立ちを覚えるし、当てることができない自分の力量にも腹が立ってくる。
「なら……これでぇぇッ!」
フレイムアイズを大きく横へ振りつつひと際大きい炎刃を放つ。それまでに飛来していた炎刃を回避していたショウさんに攻撃範囲外に逃れる時間はない。仮に持ち前の超反応で回避したとしても体勢は崩れるはずだ。そこにラッシュを掛けることが出来れば……
「――ッ!」
黒い閃光が疾ったかと思うと、あたしの放った巨大な炎刃は一瞬にして弾け飛んだ。防がれる可能性は十分に懸念していたが、魔法でガードではなく剣で斬られるという行為はなかなかに精神的に響くものがある。
というか……舞い散る火の粉が演出を掛けてるみたいで癪に障るわ。これじゃショウさんの引き立て役じゃない。デュエル中なのに一瞬カッコいいと見惚れてしまった自分に1番腹が立つだけど。
近接戦闘での勝ち目は薄いと思い中距離から攻撃してこちらのペースに、と思って戦っていたけど、このままでは勝機はない。
そもそも、前に出て戦わないというのはあたしらしくないわ。でも普通に仕掛けたんじゃ返り討ちに遭う
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