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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第30話 「燃える小学生」
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いだろう。

「ところで俺とのデュエルで掴めることはあったかい?」
「……正直に言いますけど、あたしは何も出来ずに終わったんですけど?」
「ふて腐れるなよ」

 そう言って俯き気味だったあたしの頭をショウさんは優しく撫でてくる。
 子供扱いされているようで癪に障る部分もあるが、心地良さを覚えている自分も居る。昔からレヴィみたいな子と関わってきただけに磨かれたスキルなのかもしれない。

「バニングスはまだデュエルを始めてそう日が経ってないんだ。ロケテスト組から見ても凄まじい勢いで成長してるさ。それに……君はシュテルみたいに勝ち続けることが義務みたいな王者じゃなく挑戦者だろ」
「それはそうですけど……それでも負けたらくやしいんです」
「その気持ちがあるなら強くなれるさ」

 ショウさんは少し強めに撫でた後、何度かあたしの頭をポンポンと叩いて撫でるのをやめる。
 ……あたしは何で名残惜しいとか思ってんのよ。そりゃまだパパ達とかからは撫でたりしてもらうことはあるけど、あたしはもう小学4年生なのよ。撫でられるために何かするような年じゃないでしょ……あぁもう、大体ショウさんの撫でスキルが無駄に高すぎんのよ!

「多少落ち着いたかと思ったけど……まさかここで睨まれるとは。もしかして……まだ撫でられていたかったのか?」
「なっ――ち、違うわよ! あたしはレヴィとかとは違うんだから子供扱いしないでよね!」

 あたしはレヴィみたいに犬みたいなキャラじゃないんだから。まあ犬は好きだし、家にも飼ってるけど……断じてあたしは犬みたいなキャラじゃないはず。

「どうどう」
「馬でもないわよ!」
「はいはい、分かった、分かったから……とりあえず腰を下ろしな。ここは君の家じゃなくて人の目があるんだから」

 ハッと我に返ったあたしはすぐさま浮かしていた腰を椅子へ下ろす。
 頬が熱くなっているが、これもそれも目の前にいる中学生のせいだ。そんな想いを抱いているため、今のあたしはきっとショウさんを睨んでいるに違いない。
 だがショウさんは全く気にした素振りを見せない。鋭いか鈍いかと言えば鋭い人なだけにあたしの気持ちは理解していそうなものだけど……理解しているのに涼しい顔をしてそうだと思えるから余計に頭に来る。

「すずかが前にイイ性格してるって言ってたけど、ほんとそのとおりだわ……って、すみません。そのタメ口で話しちゃって!」
「いや、別に話しやすいならタメ口で構わないけど」
「でも……」
「親しくなれば年齢だとか関係ないさ。口調がどうであれそこに込められた意味が分からないほど馬鹿でもないし……そもそも、俺が昔から付き合ってきた連中に比べればタメ口で話されるくらいどうってことない」

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