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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第30話 「燃える小学生」
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だけ……ヴィータ、あんたのあのカード使わせてもらうわよ!
 スキルカードを発動させるとフレイムアイズから凄まじい勢いで炎が噴射される。爆発的な加速を得つつ強烈な一撃を叩き込めるヴィータの愛用技ラケーテンハンマーを発動させたのだ。これが直撃すればショウさんとはいえタダでは済まない。

「ぶっ叩いて終わらせてやるわ!」
「君のそういうところは嫌いじゃないけど……終わるのはそっちだ」

 まるであたしの行動を読み切っていたかのように、ショウさんは冷静に剣を構え刀身に魔力を纏わせる。軌道修正できなくもないがそれをすればこちらの攻撃力は一気に激減するはず。生き残れる可能性は高まるけど、ここで逃げるのはあたしの流儀に反する。
 怖いってビビッてたら先になんか進めないのよ!
 気合の込めてフレイムアイズを振るう。炎を推進力として使っている技なだけにあたしの攻撃の中でも最速の一撃だ。
 しかし、目の前にある黒光を放つ長剣はこちらの速度は凌駕する。
 ?き消えて見えるほどの速さで迫って来る闇色の一撃。こちらの攻撃も着実に相手へと進んでいるのに、まるで次元が違うのだと実感させられる速度差だ。
 そのように認識した直後、漆黒の長剣は最大速度に到達しあたしの視界から姿を消す。それとほぼ同時にあたしの意識も刈り取られるのだった。

 ★

「……負けた……完璧なまでに負けたわ」

 デュエルを終えたあたしは、コミュエリアにある空いていたテーブルに盛大に突っ伏した。
 ショウさんにデュエルを挑む前から実力の差は理解しているつもりだったが、ここまで一方的に叩きのめされると精神的に来るものがある。
 何も出来ずに終わったのって初めてのデュエルでヴィータにボコボコにされたとき以来な気がするわ。いや……あのときも格段に実力が上がってる分、ヴィータのときよりも自分の無力さを感じるわね。
 全国1位の実力を持つシュテルのライバルであり、あたしが所属するチームT&Hエレメンツをひとりで壊滅させられる化け物。そのような認識はちゃんと持っていた。
 しかし、あたし達5人がショウさんに敗北を喫したのはアミタさん達やシグナムさんの特訓を受ける前。あの特訓を通してあたし達はさらに強くなったはずだった。

「けど……」

 今日の結果だけ見れば自惚れも良いところだ。
 あくまで上達したのはチームとしての強さであって、あたし達の個々の強さが一気に強まったんじゃないというのに。
 というか……あたしは自分の能力を高めるためにショウさんに付き合ってって言ったんじゃない。胸を借りるつもりで挑もうってデュエル前は思ってたはずなのに

「あぁもう、何であたしはすぐに熱くなっちゃうのよ!」

 自分の悪い癖だとは思ってい
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