第3章:再会、繋がる絆
第62話「出来る事から」
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偽物。後一人は...帝って名前だっけ?
とにかく、その三人しかこんな攻撃はしない。
そして、優ちゃんは就寝中。帝はあたしを攻撃する理由はないので、必然的に...。
「...そういう事...。動いていないんじゃない。既に動いていたんだね。」
どうして気づかなかったのだろう。使い魔で探索している時、いくら夜でもおかしいくらいに人の姿はなかった。
つまり、その時点で既に結界は張られていた。...あたしが気づく事もなく。
使い魔を介して見ていた光景は...大方、幻術か何かだろう。
「っ....!」
ギギギギィイン!!
再び飛んできた複数の剣を、全て弾く。
でも、こんなのは牽制程度でしかない。あの偽物が、こんな生易しい訳がない。
「....あたし達三人が揃っていれば、例え圧倒的な力を持っていても逃げられる。...だから、あたしが一人になっている所狙った...そういう事だね?」
「...なんだ。さすがは葵。オリジナルじゃなくても僕の考えは分かってるじゃん。」
冷や汗を掻きながらあたしがそういうと、いつの間にか接近していたのか、偽物が近くの家の屋根に立っていた。周りには当然のように剣が浮かんでいる。
...優ちゃん達がこの結界に気づく事はないだろう。
偽物とはいえ、優ちゃんの隠蔽性に優れた結界だ。例え優ちゃん本人でも、起きていなければ気づく事はできない。
...つまり、この状況をあたし一人で打破しなければならない...!
「....オリジナルと椿と葵...この三人は唯一僕を打倒し得る存在。...なら、そんな存在は早々に芽を摘んでおかないとな!」
「っ.....!!」
その言葉と共に、あたしを囲うように大量の剣が創造される。
...幸い、誰かを庇う必要のない今なら凌ぐ程度ならなんとでもなる。
「でも....。」
「さぁ、葵!今ここで殺してやるよ!」
...魔力の心配がない優ちゃん相手では、例え偽物でもあたしでは勝てない。
遠距離攻撃をあまり持たないあたしでは、遠距離攻撃に圧し潰されるだけだ。
「....ごめん。かやちゃん、優ちゃん....。」
今の絶体絶命な状況に冷や汗を掻きつつ、創造された剣にあたしは立ち向かった。
―――...あたし、帰れないかもしれない....。
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