第3章:再会、繋がる絆
第62話「出来る事から」
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目に、僕はジュエルシードへの干渉及び修理を開始する。
「(ジュエルシードのその実態は、所謂“想い”の塊。天巫女の祈りによって形を為したソレは、デバイスのようなシステム面での歪みはない。ならば....!)」
システムや法則性がない、概念的な部分から干渉を試みる...!
「(まずは解析...!歪みの実態とどうすれば直せるかを把握する...!)」
精神を研ぎ澄ませ、ジュエルシードに干渉していく。
土の中を手探りで掘って空洞を探すかのように、気の遠くなる作業だ。
「ッ――――!!」
周りの音が聞こえなくなる程に、意識を集中させる。
失われた技術を解析しているのだ。これくらいの集中なんて当たり前だ。
「―――ッ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁー...ふぅ....。」
何分、何時間経ったのだろうか。集中していた精神を一度落ち着かせる。
集中しすぎていたせいか、息切れもしていた。
「...どこまでわかったの?」
「...歪んでいた部分、その大体は把握できたよ。」
吹き出る汗を拭きながら、葵の言葉に答える。
「まるで靄のようにわかりづらかったけど、何とか大体は把握できた。...問題はそれをどうやって直していくか...だな。」
「そこまで難しいの?」
「何も知らない一般人に霊術をやれっていうようなものだな。やり方がわからない。」
把握するのも具体的なやり方は分からなかったけどな。全部手探りだし。
「リヒト、どれくらい時間が経った?」
〈10分34秒です。魔力結晶の魔力もちょうど使い果たしました。〉
「あまり経ってないなぁ...。それに、ギリギリだったか...。」
一つの魔力結晶で大体10分ほどしか解析できないとなると、ジュエルシードを完全に直すには、本当に気の遠くなる作業になるな。
「椿の方は?」
「今終わった所よ。」
椿は上手くいったのかと思った所で、ちょうど終わったらしい椿が話しかけてきた。
「首尾は?」
「上々よ。何気に注目されていたみたいね。優輝。」
「え?」
注目って...椿の本体...草祖草野姫に?
「現代ではなかなか見られない魂だって言ってたわ。...まぁ、私もそう思うけど。」
「いや、一応同一人物なんだし、同じ事思っても不思議じゃないような...。」
まぁ、上手くいったのならいいか。
「でも、使いどころをしっかり見極めなさいよ。巫女でも神主でもない、ましてや厳密には陰陽師ですらない、霊術を扱うだけの優輝が神降しだなんて、負担もあるんだから。」
「分かってる。...使うとしても二回だろう。」
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