二日目 舞い降りる姫
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矛盾を」
そしてエキドナは消えていった。
時間切れだ。
どうせ少しすればやってくる。
何も無かった様に、普通の少女の様に、ありふれた妹としてやってくるだろう。
そう、この世界はそういう風に出来ている。
この違和感に真の意味で気付ける者は一人しか居ないだろう。
一人、ただ一人。
ラードンはこの空間で彼を待ち続ける。
最愛の少年を。
望まれた希望を。
鳴り止まぬ雷雨。
耳を澄ませば微かに聞こえてくる。
────────────。
誰かを呼んでいる。
それが誰を読んでいるのか解らない。
でも、それは再会を祝福する祝音の様な……。
耳元で囁かれる様な。
────とても優しく。
何処か、儚げな声は雷雨の中を響き渡る。
誰かを待ち続け、誰かを呼び続ける声は誰にも気付かれる事はない。
それは虚しく、誰の耳にも届く事はない。
なのに、何故。
この音は────この声はこんなにも……。
「────バルス。
次はこれを運んで頂戴」
刹那。
スバルの意識は戻った。
「何をボーッとしてるの?」
「……ぁ、いや」
スバルは手渡されてたテーブルクロスを受け取り、徐ろに足を進める。
する事は解っている。
やる事も理解している。
なのに……なんで、こんなに。
普段なら今は仕事優先と言って雑念を払うはずなのに今はそんな気分にすらなれない。
────少し、眠い……。
ちゃんと寝たつもりなのに。
朝からドタバタしてたからかな。
いや、多分それは関係ない。
きっぱりとさっぱりと関係ないと決め付け、スバルは客人用に用意された巨大なテーブルにテーブルクロスを掛ける。
普段なら文句を垂れながら作業する面倒な作業をスバルは黙々と熟し、新たな仕事を求め、ラムの元まで歩む。
そして雷鳴は鳴り響く。
もう、聞き慣れちまった。
最初はちょっとびっくりする程度だったけど今は驚きもしない。
まるで怒ってる様に雷は雨は降り続け、止む気配を見せない。
そして雷は振り落とされる。
────閃光
────爆発。
────衝撃。
スバルは瞬間的に、両手で視界を遮る。
「な、なんだ!?」
雷が庭に落ちた……?
一瞬、窓から見えた雷。
それは屋敷空上の何かを貫き落ちてきた。
何か……多分それは屋敷を護っていた結界であろうそれは少しずつ崩壊し消えていった。
────雨の勢いが増してる……。
結界は完全に消滅した。
屋敷全体が豪雨に曝される。
────雷鳴は轟き。
そしてスバ
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