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Re:ゼロから始まる異世界生活
二日目 舞い降りる姫
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か。それともこのナツキ スバルの日常を何度も繰り返して見続けて更に狂ったのかい?
 そうかそうか。
 それなら納得だ。こんな何もない空間で姉さんがじっとしていられる訳ない。
 いくら少しずつ変化するスバルの日常でも一体、この日常は何度繰り返された?
 繰り返される四日間を何度体験した?
 並の人間なら発狂死する程、貴女は体験し続けた……なのに何故、貴女は諦めない?
 これほど繰り返されて何故そんなに日常を見届ける? この繰り返される四日間に結論は出るのかい? それとも出てるの? 僕には理解出来ない……貴女はそれでも理解してしまうんだね。
 僕の世界を貴女は安安と────超えてしまうんだね。
 そうだ……そうだよね。
 姉さんは僕から全てを奪った。
 なのに。
 姉さんはまだ僕から奪うの?
 これから知り得る知識を。
 まだ見ぬ可能性も……全部…………僕は、私は────」
 
 エキドナは魔女である。
 だが、一人の女の子でもある。
 ラードンは。
 姉は妹のエキドナから全てを奪った。
 ラードンからすれば共有の様なものだと思っているだろう。
 違う、それはエキドナにとっては逆奪に等しい行為だ。
 姉 ラードンは妹のエキドナから了承も無しにエキドナの知識を全てコピーし、自身の物にした。
 基本的に魔女との物々交換は等価交換である。
 互に見合った対価を払う事で互の物をトレードする。
 だが、ラードンはその了承すら得ずに知識を貪り、世界の心理を知った。
 
 人は。
 魔女は彼女をこう呼ぶ。
 
 『逆奪の魔女 ラードン』
 
 七つの大罪の持つ全ての特性を逆奪し、嫉妬の魔女と同等とされた。
 忘れられし、色彩の魔女。
 
 「貴女はこれ以上、何を求める?」
 
 「何って?」
 
 「貴女は全てを知りうる逆奪の魔女。
 姉さん……貴女は何を欲している?」
 
 「無論、全てだ」
 
 「それは傲慢だ」
 
 「でも、私は面倒くさがりでね」
 
 「それは怠惰だ」
 
 「知り得ぬ知識を貪りたい」
 
 「それは暴食だ」
 
 彼女に望みはない。
 でも、願望はある。
 望んでも戻らない過去、望んでもいない未来。
 そして望まれた今。
 彼女程、恵まれた魔女はいない。
 死してなおラードンは己の願望を追い続け、有り得るはずのない未来を見続けている。
 
 「僕は全てに『彩り』を与えた色彩の魔女だ。
 過去も、今も、未来全ての物に私は『色』を与えよう。例え、それが世界の理を崩す事に成ろうとも」
 
 「そうやって貴女は生き続けるんだね……」
 
 エキドナは少し悲しげな表情で。
 
 「忘れる事さえ叶わない。
 この一瞬を────
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