二日目 舞い降りる姫
[6/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
か。それともこのナツキ スバルの日常を何度も繰り返して見続けて更に狂ったのかい?
そうかそうか。
それなら納得だ。こんな何もない空間で姉さんがじっとしていられる訳ない。
いくら少しずつ変化するスバルの日常でも一体、この日常は何度繰り返された?
繰り返される四日間を何度体験した?
並の人間なら発狂死する程、貴女は体験し続けた……なのに何故、貴女は諦めない?
これほど繰り返されて何故そんなに日常を見届ける? この繰り返される四日間に結論は出るのかい? それとも出てるの? 僕には理解出来ない……貴女はそれでも理解してしまうんだね。
僕の世界を貴女は安安と────超えてしまうんだね。
そうだ……そうだよね。
姉さんは僕から全てを奪った。
なのに。
姉さんはまだ僕から奪うの?
これから知り得る知識を。
まだ見ぬ可能性も……全部…………僕は、私は────」
エキドナは魔女である。
だが、一人の女の子でもある。
ラードンは。
姉は妹のエキドナから全てを奪った。
ラードンからすれば共有の様なものだと思っているだろう。
違う、それはエキドナにとっては逆奪に等しい行為だ。
姉 ラードンは妹のエキドナから了承も無しにエキドナの知識を全てコピーし、自身の物にした。
基本的に魔女との物々交換は等価交換である。
互に見合った対価を払う事で互の物をトレードする。
だが、ラードンはその了承すら得ずに知識を貪り、世界の心理を知った。
人は。
魔女は彼女をこう呼ぶ。
『逆奪の魔女 ラードン』
七つの大罪の持つ全ての特性を逆奪し、嫉妬の魔女と同等とされた。
忘れられし、色彩の魔女。
「貴女はこれ以上、何を求める?」
「何って?」
「貴女は全てを知りうる逆奪の魔女。
姉さん……貴女は何を欲している?」
「無論、全てだ」
「それは傲慢だ」
「でも、私は面倒くさがりでね」
「それは怠惰だ」
「知り得ぬ知識を貪りたい」
「それは暴食だ」
彼女に望みはない。
でも、願望はある。
望んでも戻らない過去、望んでもいない未来。
そして望まれた今。
彼女程、恵まれた魔女はいない。
死してなおラードンは己の願望を追い続け、有り得るはずのない未来を見続けている。
「僕は全てに『彩り』を与えた色彩の魔女だ。
過去も、今も、未来全ての物に私は『色』を与えよう。例え、それが世界の理を崩す事に成ろうとも」
「そうやって貴女は生き続けるんだね……」
エキドナは少し悲しげな表情で。
「忘れる事さえ叶わない。
この一瞬を────
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ