二日目 舞い降りる姫
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妹の魔女 エキドナは軽蔑の眼差しで虫を見るような眼差しでラードンを見ている。
「なんだいなんだい?
私はスバルの生きざまを見届けているだけじゃないか?」
「そんなニヤついた顔で居られたら不愉快なんだけど」
「ズキューンッ!?
そんな変な顔だった……?」
「あぁ、死ねばいいのにね」
「その罵り方は僕にとってご褒美だよ!アザ━━━━━━━━ス!」
最近覚えた奇妙な言葉を使ってラードンはエキドナの罵倒に感謝する。
なんて哀れな姉なのだらう。
何度、幻滅すればよいのやら……。
「それで、スバルは?」
「あぁー。今は二日目の昼だよ。
そろそろ招かれた客人の来訪だ」
「過程は?」
「過程はね、前回よりナーバス思考になってる。
多分、今回も四日間で終わるね」
「スバルの『死』で?」
「だろうね……こればかりは最後まで見届けないと解んないからさ」
ラードンは「何とも言えないよね」と笑顔で言った。
「じゃあ、前回と変わった点は?」
「変わった点ねぇ。
今の所はないかな……」
「変化なし……彼は一体何回繰り返すんだい?」
「さぁね。
でも、その考え方で彼を見届けても無駄だと思うよ」
────彼は繰り返すなんて記憶すら残ってないんだからさ。
今回の事も、前回の事も。
ラードンにとっては些細な事だ。
今のエキドナにナツキ スバルの事を語る資格はない。
たかが、このループを数回した体験していない哀れな妹には。
「それにしても姉さんは疲れないのかな?」
「疲れる?
何を?」
「毎回、同じ様な結果を見る事にさ。
彼の絶望する姿を貴女は何度体験すれば気が済むのか……僕は気になって仕方ない」
「いや、もう気は済んでるよ」
「────はい?」
妹の間抜けた表情。
あれ、変な事を行ったかな?
とラードンは疑問を浮かべた。
流石、姉妹と言うべきか……その表情はそっくりだった。
「待て……うん、一旦落ち着こう」
「いや、僕は至って正常────」
「いやいや、正常じゃない。
狂ってる。姉さんは狂ってるよ」
「ちょっと?
僕は至って正常だってば────」
「そんな訳ない。
姉さんは普段から狂ってる。
いや、狂ってるから正常なんだ。
それなのに……正常? 笑わせないでくれるかな?
姉さん。
貴女は狂ってる。
昔からそうだ。姉さんのやってる事は魔女ですら嫌悪する程の日々だった。そんな姉さんが正常な訳ないじゃない
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