二日目 舞い降りる姫
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はくれなかったんだ!
────助けて。
────助けて。
────助けて……俺は。
理解されたい。
ただ、それだけだ。
この気持ちを。
この憎しみを。
話せればどれだけ楽に成れるだろう。
暴露できればどれだけ救われるだろう。
そしてそれを説明できればどれだけの人を救えたのだろう……。
考えるだけて────消えたくなる。
────せ。
──────殺。
───せ。
────!
────────ろ。
────こ。
俺を、殺してくれ……。
無限のループに囚われ続けるナツキスバルのRe:スタートは終わる事はない。
もし、借りにそのループが終わるとすれば。
それはナツキ スバルが意味を得る事から始まるだろう。
「今回も盛大だねー」
ラードンはその光景を何度見てきたのだろう。
常人なら発狂する程、ナツキ スバルの日常を見てきたラードンは飽きる事を知らず、映画感覚で見続けている。
「二日目。そうそうここからスバルは病んでたなぁ。これは後の二日目に支障をきたすね」
ナツキ スバルの繰り返される四日間。
それは全て別物である。
いや、殆ど別物かな。
ナツキ スバルの四日間は二日目以降から大きく変わり、終わり方も様々である。
似た死に方もあれば今まで無かった死に方もある。
二日目。
それはナツキ スバルと『雷祈』の運命の別れ道である事をラードンは知っている。
会おうと逢えなくとも彼らの運命は決まっているのだ。
どちらかは『死』
どちらかは生き続ける。
さぁ、今回はどっちが生き残るのかな?
まぁ、どちらせよ。
運命の天秤は傾いちゃうけどさ。
始まりは同じなのに結末は違うなんてね。
そのおかげで飽きはしないけど……それはそれで虚しい。
だって色んな結末を見ちゃってるんだよ?
ここをこうすればこうなるって知ってるからちょっと物足りないな。
────だからお節介するんだけど。
ナツキ スバルは一人の女の子を救おうと繰り返される四日間をRe:スタートする。
と言っても当初の予定とは大きく変わってるけどね。
それを差し引いてもこのループは価値を見出せるとラードンは信じ、このループを見届けると契約した。
期待は裏切られた。
だが、それも一興。
全てを知りえないからこそこの繰り返される四日間は価値を与えられている。
寧ろ、この繰り返しはその為だけに与えられたとさえラードンは感じていた。
否定されても、肯定されても。
彼の生きざまは変わらない。
変わるとすれば無様な死に様が増える、かな?
「姉さんは本当に意地悪な魔女だね」
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