二日目 舞い降りる姫
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った皿を持ち、
「────バルス、雷祈様と馴れ馴れしくしないで」
通りすがりにそう耳元で呟いた。
警告……なんか俺、アイツの気に触る事したかな?
まぁ、使用人の立場から考えるとラムの言った事は正しいのかも知れない。
使用人は主に仕える者。
粗相のないように主の客人とは距離を置いた方がいいのかもな。
物理的にも、精神的にも……。
俺も素早くスムーズに料理並べ、積み重なった皿を持ち、その場を後にした。
それからラムは無言だった。
話し掛けて拒絶され無視られる。
どうやら俺はラムを怒らせてしまったようだ。
何が原因で怒ったのかは解らないけど俺が要因で怒ってしまったって事は当の本人だから理解できた。
「なぁ、ラム。
悪かったって……その何が悪かったかは分かんねぇけどそのごめん」
何度、謝っても話しても彼女は無言で無視を貫き通した。
これは相当、お怒りのご様子だ。
はぁ、と軽く溜息を付き。
俺は自身の落ち度を模索する。
あの時、通りすがりに耳元で呟いてきた言葉を思い出す。
────雷祈様と馴れ馴れしくしないで……だったかな。
そこまで馴れ馴れしくした覚えなはない。だが、ラムからすればそれが馴れ馴れしく接していたと判断された……?
自分ではそんな気は無いけど他人の目からすればそう見えたのかも知れない。
あのラムがあんなに怒ってる所なんて初めて見たぞ────。
……あれ、そうだったけ?
いや、そうだろ。
何を知ったふうな事、言ってんだ俺は。
アイツは余り、感情を表に出さない奴だから怒った所を見れるなんてラッキーだろ俺……。
いや、滅多に怒らないラムを怒らせて怒った表情を見ても全然嬉しくねぇけどな。
何を考えてんだ俺?
ラムは早歩きで俺の三歩先を進む。
今は何を言っても耳を傾けてはくれないだろう。
なら、お怒りの治まった時に謝ろう。
その為にはラムより仕事を頑張ってアイツの負担を減らさねば!
ラムは基本的に面倒くさがりだからアイツの分を仕事をすれ機嫌も良くなるはず……確信はないけどそれくらいはしないとこの沈黙は耐えられない。
重苦しい空気っと俺は感じている。
何を話しても無視されるんだテンションは下がるし気分も乗らない。
ここは無理矢理でもテンションを上げてお仕事に専念せねば。
じわじわとやって来る睡魔。
ここは耐えろ。やる事終わったらすぐ寝るから今は耐えろ俺の身体。
欠伸を噛み殺し、両手で両頬を叩く。
パンパンッ。
少しだけ眠気は収まってくれた。
まだちょっと眠いけどさっきよりは随分とマシになった。
「さて、お仕事頑張りむすか!」
「……ぷっ」
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