二日目 舞い降りる姫
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る、普段は巫山戯た口調。
でも、それが彼のアイデンティティだった彼を。
「……ロズワール様」
紳士なロズワールは歩み寄り。
「うん、堅苦しい服より。
今の服装の方が君らしいし。
多分だけど。その方が話は進みやすいからさ」
話が……進みやすい?
「ですがロズワール様。
バルスの服装はお客人に失礼かと……」
「失礼も何も、スバル君の服装はこの国では見られない貴重な素材で出来ている。そんな彼の珍しい服装に彼女は興味を持つだろう」
「……ですが」
「まぁ、いいじゃないか。
今回は大目に見てやってくれ」
ロズワールはラムの肩に手を起き。
そう耳元で囁いた。
そしてラムは「はぁ、」と溜息を零し。
「本当に……ロズワール様はバルスにお優しいですね」
「そうかな?」
「はい、とても。
とても優しいです」
ラムは羨ましそうな表情で俺の服装を見て。
「ロズワール様が宜しいなら。
私はそれで構わない」
「お、おう」
なんか釈然としない。
ロズっちの援護射撃でこの服装でOKを貰った訳ですけど。
「さて、スバル君。
今回は君の手を借りる事に成るかも知れない」
普段通りのにこやかな笑顔でロズっちは話し掛けてきた。
やっぱり、目の前のロズっちはロズワールの筈なのにロズワールではない別の誰かに見えてしまう。
「俺の手って言われても。
俺は普通の人間より劣ってる劣等生ですぜ?
そんな俺の手なんて借りなくてもアンタなら一人で熟しちまうだろ」
「はははっ。私もとんだ過大評価されたものだ」
「実際そうじゃね?」
「んっまぁ、私程の腕前の魔道士は世界でも指折りだーけどねぇ」
ちょくちょく普段の口調に戻ってる。
その度にロズっちは。
「いやー。意識してもなかなか治らないものだねぇ」と呟き。
「君が思っているより、私は有能な人間ではないよ」
「またまた。
そんな謙遜なんかしなくても」
「謙遜ではないさ。
逆に私からすれば君は太陽の様な存在だよ」
……太陽?
なんとも大袈裟な例えだ。
そして俺は。
「いや、俺は『闇』だ。
真っ暗で何の取り柄もない。
ただの人間だ」
────あれ?
俺……なんでそんな事。
「それは……君らしくない回答だね」
ロズワールは新たな回答を求めされる様に言った。
「……いや、なんだろな。
さっきのは忘れてくれ」
俺は若干、駆け足でその場を去った。
────違う
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