二日目 舞い降りる姫
[1/15]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「おぉー。雨やべぇー」
────振り続ける雨。
眺めても雨は止まない。
止んで欲しいなんて思ってないけど振り続けてるのもどうかと思う。
「スバル君。
どうかしましたか?」
空を雨を眺めているとレムの声。
俺は振り向き。
「うん?
いや、ちょっと空を見てた」
「祝福の雨です」
……祝福?
なんか大袈裟な発言じゃね?
「恵みの雨だなー」
俺もレムと似た返しをする。
雷雲は空を覆い尽くし、太陽の光を妨げる。
────台風みてぇだ。
普通の家なら。
木造の家なら吹き飛ばしてしまいそうな。
それでもこの屋敷は『無傷』だ。
破損していない。
なんでもロズっちの守護魔法でここら一帯を災害から護っているらしい。
それでもこの悪天候を祝福の雨やら恵みの雨って例えるのはちょっと……。
────なんつうか……少し、懐かしい。
台風って感じの暴雨を眺めながらそう思った。
「てか、そろそろ時間かな?」
「はい、そろそろですね」
────雷鳴は轟き。
「なら、俺も準備しねぇと」
────雷鳴は轟き、爆ぜる。
「そろそろ乾いてる……よな?」
────雷鳴は轟き……。
この世界は終わりを告げる。
「あらバルス。
まだその服装?」
ラムは視線が突き刺さる。
痛い、痛い。その視線が痛いよ。
「そろそろ時間なのだけれど」
「……そのぉ。あのですねぇ。
ほら、この悪天候じゃん?
いくら湿ってた程度と言ってもさ……?
乾くかも知れないって憶測で────」
「そんな言い訳聞きたくないわ」
「ごめんマジでごめん!?」
殺気をズキズキ感じるのですよ?
落ち着くのでせうよ?
「そ、そうだ!
魔法で乾かせばいんでね?」
「そうね、『魔法』が使えればね」
────あれ? その発言だと。
現在、魔法は使えないご様子?
「他に着替えは無かったの?」
「あるちゃあるけど……サイズが合わないんだよな」
「ちっ」
「ちょ、舌打ち!?」
「なんでバルスは小さいの?」
「そんな事、言われても」
「やっぱり、バルスはバルスね」
「ごめんっ!なんかごめん!?」
怒ってる。
怒っていらっしゃる。
お姉様。怒りを鎮めたまえ。
「それならそのままでいいんじゃないかな?」
────この……声は?
知ってい
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ