機動戦艦ナデシコ
1444話
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思うけど。……何だかんだで、アクセルとの間には色々とあったわよね」
色々というのは、当然ながらV型感染症の件も含まれているのだろう。
シェリルの命を後一歩で奪うところだった、バジュラが原因の病気。
結果として、今のシェリルはこうして無事に人生を楽しんでいるが、何か一歩間違っていれば今ここにシェリルの姿はなかった。
他にもグレイスの裏切りとかもあったのを考えると、俺とシェリルが共に歩んできた道のりは決して平穏だった訳ではない。いや、寧ろ波瀾万丈と言ってもいい。
「そうだな。その結果、こうして俺とシェリルは2人で一緒にいられる。それは幸福な事だと言ってもいい」
「……あら、随分と気障な事言うのね」
「これくらいはな」
幸せそうな、それでいて面白そうな笑みを向けてくるシェリル。
こうして今シェリルと一緒にいられるというのは、この上ない幸福なのだろう。
正直、何か一つ間違っていれば……と思う時もあるのだから。
「それに……私にも家族が出来たしね。普通とは全く違う家族だけど」
「まぁ、普通じゃないのは認める」
現在俺の家にいるメンバーを考えれば、とてもではないが普通だとは言えないだろう。
人によっては狂気の沙汰だと言うべき者もいるかもしれない。
一夫一婦制で生きている人間にとっては、特にそんな思いが強い筈だ。
だが……それが俺達なのだ。
そんな恋人達を守り、よりホワイトスターを発展させていくというのが俺の生きるべき道だ。……その結果、何故か恋人が更に増えたりもするのだが。
それでも幸い俺達は上手くいっている。
こんな幸せな……それでいて刺激的な毎日がいつまで続くのかというのは、俺も分からない。
だがそれでも、この幸せを壊そうとするような者がいた場合、俺は間違いなく牙を剥くだろう。
それこそ混沌精霊としての俺の全身全霊で。
俺は決して正義の味方という訳ではない。それは、俺が今まで通ってきた道筋が示している。
もし名前も知らない10000人とシェリルを含めた恋人9人どちらの命を取るのかと言われれば、俺は躊躇なくシェリル達を選ぶ。
そしてシェリル達を助けた後で余裕があれば、そこで初めて10000人の方を助けるだろう。
この辺が、俺とFate世界の衛宮の違い。
正義の味方を目指している衛宮と、自分の周囲を重要視する俺。
それでも、今の俺は決して後悔はしない筈だ。
「アクセル? どうしたの?」
「いや、ちょっと考えごとをな。……それよりシェリルも明日は忙しいんだから、しっかりと食べて体力をつけないとな」
「あら、それは明日のライブに備えてより、今夜、この後の行為を考えて?」
そう告げるシェリルの視線は、シェリル・ノームという女を示している。
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