誓う蛇
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「ボーデヴィッヒさん、家族の真似事の第一歩だ。名前で呼ばせてもらうよ。無論、オレのことも名前で呼べばいい。できるか、ラウラ?」
「私も名前で呼んだらいいからね、ラウラ」
「元士郎お兄ちゃん、簪お姉ちゃん」
「ああ」
「うん」
オレ達が答えてやるとラウラが嬉しそうに抱きついてくる。今度は満足するまで抱きつかせておく。この後に怖がらせてしまうからな。
「話は変わるが、一番最初の言い回し、誰に教わった?」
純粋なラウラを汚している輩にお灸を据えてやらないとな。若干漏れた殺気に反応してラウラが硬直する。
「ドイツにいる副官の、クラリッサ・ハルフォーフ大尉です!!」
「ちょっとそれとお話ししないといけないから電話番号を教えてもらえる?」
「直通の通信機があります!!使用に制限はありません!!」
「ありがとう。それからごめんな、怖がらせて」
「いえ、大丈夫です」
「謝罪は謝罪で受け取れ。何かして欲しいことはあるか?」
「えっと、それなら、一つ質問が」
「なんだ?」
「あの、子守唄はどこで?それとも有名なのですか?」
「……何?」
あの歌を知っているだと?馬鹿な、あれを知っているのは前世の家族のみ。
「誰が、知っていたんだ」
「えっと、副官のクラリッサです。私の教育係でもあって昔、歌ってくれたんです。昔からなんとなく知っている歌だと」
いや、まさか、あり得るのか?簪の方を見ると簪も思い至ったのか首を縦にふる。これは、直接会って確かめる必要がある。そう決心してラウラの質問に答える。
「あれはちょっとマニアックなものでな、知る人ぞ知るって奴だ」
「そうだったのか」
そこでちょうどよくチャイムが鳴る。授業に遅れるから急がないとな。
「それじゃあ、ゆっくりしてろよ、ラウラ」
「また夕食の時にね、ラウラ」
「うん、待ってるからな」
食堂から移動する途中で簪と先ほどの件を話す。
「簪みたいなことがあり得るのかな」
「分からない。でも、ありえたとしたらクラリッサの前世はたぶん」
「セラだろうな。仕事はできるんだけどどこかずれてるところが」
「にぎやかになりそうだね」
「だな。もし、セラだったら、留流子もいるのかもな」
「いるといいね。また、楽しい日々を過ごしたいね」
「ああ、絶対に過ごそう」
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