第二十一話 新生第五航空戦隊
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
・・。」
「それと?」
「航続距離は零戦に劣るけれど、局地戦闘機として強力な新型機が配備されたわ。」
「名前は?」
「紫電改よ。」
「紫電改?!でも、前世だと陸上基地でしか実戦配備がなかったはずじゃ――。」
紫電改は前世大日本帝国で開発された陸上戦闘機紫電の改良型である。紫電は零戦よりも強力なエンジンと武装、そして上昇力を備えた戦闘機として開発されたが、実際零戦よりも優れていたのは、機銃の命中率と高空での戦闘性能くらいなもので、旋回性能に至っては零戦よりも明らかに低下していた。
紫電改はこの紫電の改良機体である。紫電に引き続き誉エンジンを装備し、零戦よりも強力な馬力と火力を装備する局地戦闘機で、上昇性能の向上、自動空戦フラップによる空戦性能の強化等で本土防空任務等で活躍した。
前世で烈風の開発・配備が大幅に遅れたため、一部では零戦の事実上の後継機などともいわれているし、もし紫電改が艦上戦闘機としてもっと早く配備されていれば、前世に置いてF6F等に苦戦することはなかったという風にも言われている。
「一応艦上型を計画していたみたいね。それがこのヤマトにおいては実現化されて配備も間に合ったってわけ。ついでに言えばこの新型機を実戦で扱うのは私たち第五航空戦隊が最初なんだって!!」
瑞鶴が嬉しそうに言った。
「うれしいわ。新型機を扱わせてもらえるなんて!よし、行くわよ瑞鶴。新生した第五航空戦隊の力、皆に認めてもらいましょう!」
「はい!」
瑞鶴は力強くうなずいた時、アラーム音と共にアナウンスが発着所に響いた。
『第一艦隊の出撃完了。第二艦隊の水上部隊も出撃完了です。第五航空戦隊も出撃してください。』
「了解しました。」
翔鶴が発着台に乗ると、次々と艤装が飛んできて彼女の体に装填された。飛行甲板を付け終わり、弓を手に添えると、翔鶴は背を伸ばして叫んだ。
「第五航空戦隊、翔鶴、出撃します!!」
「同じく第五航空戦隊、瑞鶴、出撃よ!!」
ザアッと水音を立てて巨大な門扉が開き、青い大海原が姿を見せた。眩しいくらいに青い空と海が彼方に果てしなく広がっている。
翔鶴、そして瑞鶴は発着台から、その広大な大海原へと滑りだしていった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ