第二十一話 新生第五航空戦隊
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れて、敵艦載機部隊が飛び立ったって――。」
「まさか、沖ノ島海域での残存部隊と鉢合わせしたんじゃ!?」
足柄が愕然となった。
「その、まさかのようです。」
鳳翔は顔色を引き締めた。
「最新鋭艦娘はヤマト本土を護るうえで欠かせない存在だと提督はおっしゃっていました。作戦を変更します。プリンツ・オイゲンさん、偵察機から届いた敵のデータをインストールしてください。」
最近呉鎮守府にも最新鋭の電子機器が導入され、戦略会議は立体的な海図などで立案することができるようになった。深海棲艦からのジャミングでまだまだ衛星を利用してのリアルタイムでの最新情報の更新はできず、偵察機からのデータを逐次インストールしての対応になる。
いずれ深海棲艦からのジャミングを受けない極低周波を利用した衛星回線での通信システムが完成できるのではないかという見通しが出てきている。むろんこのシステムを導入しつつあるのはヤマトだけであるから、他国にシステムを波及させるには、他の通信手段が封じられている以上、直接赴くしかない。軍令部が発動したノース・ステイトとの通信回復作戦の目的にはこの技術供与の側面も加わっていた。
「はい!」
プリンツ・オイゲンがコンソールに駆け寄り、あわただしく操作している脇で、鳳翔はディスプレイを表示させた。新たな情報が浮き上がり、敵艦隊の位置と最新鋭艦娘の位置が表示される。最新鋭艦娘のほかに護衛駆逐艦が2人ついているようだ。
驚いたことには敵艦隊の位置にほぼ重なるようにして最新鋭艦娘たちの位置が表示されている。
「これ、すぐ近くじゃないの!!ほとんど並んでいるよ!!」
伊勢が叫んだ。
「現在その子は紀伊半島南70キロをこの呉鎮守府に向けて航行中です。対するに敵深海棲艦はここ、紀伊半島南南東60キロ地点を航行中。このままでは追いつかれます。そこで、第一艦隊は護衛対象の艦娘と合流、これを保護。第二艦隊は敵艦隊の側面から集中砲火を浴びせ、その後反転離脱してください。」
「でも、それでは当初の目的が達せられないのではなくて?」
と、熊野。
「私から提督に申し上げて基地航空隊を発進させます。艦隊を護衛に回す分の不足は妖精たちが補ってくれるでしょう。」
翔鶴さん、瑞鶴さん、と鳳翔は第五航空戦隊の二人に目を向けた。
「敵は機動部隊の残存艦隊ですが、侮りがたい航空戦力を有しているようです。今回の作戦ではお二人の力がカギとなります。私は鎮守府の守備上ここを動けません。どうかお願いします。」
それにこたえるように二人は同時に立ち上がった。
「わかりました。行くわよ、瑞鶴。」
「任せてよ翔鶴姉!!鳳翔さん、五航戦の力、早速見せてやります!」
期待しています、と鳳翔は言ったがその眼は厳しかった。翔鶴は復帰したばかりである。その復帰早々にこのような緊急
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