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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第二十一話 新生第五航空戦隊
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も伊勢も利根たちも皆が相好を崩した。一時は重体だった翔鶴がこうして元通り復帰したことに皆が喜んでいるのだ。
「稼働空母が減っている今、今の私たちには第五航空戦隊のお二人にがんばってもらわなくてはならない状況にあります。」
「はい。先輩方が支えてくださったヤマト空母機動部隊の名前を貶めないように、頑張ります。」
真っ直ぐな翔鶴の言葉に鳳翔は目を細めた。
「ありがとう。では、具体的な作戦の検討に入ります。」
鳳翔がディスプレイ上にヤマト紀伊半島沖周辺海域を映し出した。呉鎮守府もシステムが一新されてアナログから電子戦略に移行しつつある。
「これが紀伊半島です。軍令部からの情報及び基地航空隊からの偵察情報では、敵艦隊は紀伊半島沖南東約70キロ地点を西方に20ノット強の速力で進んでいるとのことです。」
敵艦隊の位置が時系列ごとに航路として表示されていく。
「速力から言って待ち伏せではないな。だが、行き先が西というのは少し奇妙じゃな。」
利根が顎に手を当てた。
「ええ。利根姉さんの言う通りです。南西諸島は既にヤマトが奪還して前線基地が敷かれていますし、あそこには佐世保鎮守府からの艦隊が少なからず常駐しているはずです。」
「指揮系統を失って、帰るべき家が見つからないんじゃない?」
「そんな間抜けな深海棲艦かしら?」
航空巡洋艦娘たちの言葉を聞いていた鳳翔は軽く咳払いして話を始めた。
「それについては提督のお考えがあります。敵深海棲艦は南西諸島沖をかすめ、遠くリパブリカ・フィリップに入る予定ではないか、ということです。」
「リパブリカ・フィリップって?」
と、鈴谷が熊野に尋ねる。
「南西諸島のはるか南にある大小数千の島からなる海洋国家ですわ。かつてはノースステイトに匹敵する海軍力を保有していたのですけれど、深海棲艦に制圧されてからはわずかに北に点在する数十の島にまで領有権が落ちてしまったの。今は周辺諸国の支援を受けながらかろうじて国を維持しているとのことですわね、鳳翔さん。」
「熊野さんのおっしゃるとおりです。したがって、リパブリカ・フィリップの大半は今や敵の前線基地と化しています。あまりにも数が多いので、ヤマト軍令部も攻略をためらうほどです。」
「奴らそこに逃げるつもりなのね!妙高姉さん、私たちでブッ叩いて二度と帰れなくしてあげましょう!!」
足柄が息巻いた。
「で、その前祝にカツを揚げるの?それはちょっと勘弁してほしいなぁ。」
鈴谷が言ったので、皆が大笑いした。今は妖精たちが担当してくれているが、以前出撃前には各艦娘たちが料理を作っていた。足柄が食事当番だったさい、彼女が大量に揚げたカツによって胸焼けを起こす艦娘たちが続出し、結局出撃が延期されたという笑えない笑い話が残っているのだ。
 当の本人は真っ赤になって早口でしゃべり
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