第二十一話 新生第五航空戦隊
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。嫌な予感がする。そう思った直後、奴はいつものしれっとした口ぶりで、残存艦隊の掃討作戦を依頼してきた。なんでも沖ノ島海域周辺にいた敵艦隊の一部が紀伊半島沖にノコノコやってきていているのだという。おい。どうしてこっちに来る。なんで東に逃げない。
奴はすぐに詳報を送ると言って通信を切った。相変わらず一方的な奴だ。
敵艦隊の残存戦力(予想図だったけれどな)を見てみると、思ったほどではない。まぁ、いい。先日ようやく瑞鶴と翔鶴が戻ってきたところだ。榛名たち主力艦隊がいないのは少し心もとないが、うちの艦娘の奴らもここのところ手持無沙汰だ。イベントっていうポジティブな考えで引き受けるか。どっちみち引き受けざるを得ないんだけれどな。
そして嬉しいことがあった。翔鶴と瑞鶴が戻ってきたんだ。無事な姿を見て思わず俺は奴の手を取ってしまった。そうしたら妹の奴に平手打ちされるところだった。セクハラ呼ばわりされるのはさすがにどうかと思うぞ。
また、翔鶴と瑞鶴から赤城について妙なことを聞かされた。南西諸島作戦の前の事、赤城の奴が木立にひっそりとたたずんで眠れない様子だったそうだ。第一航空戦隊の双璧として戦っていた奴がそんな状態だったとは。俺はつくづく自分の管理の甘さを思い知らされた。どうするか。赤城を呼び戻して誰かを交代させるか。だが、一度ついた有名・勇名は簡単には消えない。本人が望まなくても名前が独り歩きすることがある。赤城の場合もそうだ。可哀想だが、俺は赤城を残留させることとした。だが、これについては俺には信じられることがある。
奴は努力家だ。人一倍練習も鍛錬もしてきた。多少大飯ぐらいのところはあるが、芯はしっかりしていると思う。多少めげるかもしれないが、奴は必ず立ち直る。きっと。それにだ。奴は一人じゃない。加賀がいる。そして紀伊もいる。榛名も、霧島も、夕立も。
俺があれこれするよりも、そいつらと一緒にいた方がきっといいだろうから。
1時間後――会議室に鳳翔が主だった艦娘を召集していた。
「・・・・というわけで、ヤマト軍令部からの要請により、紀伊半島沖で確認された沖ノ島海域攻略作戦の残敵掃討作戦を発令します。」
「やれやれ、おいしいところはみんな横須賀が持ってって、私たちは残り物かぁ。」
「伊勢、そう言うな。現にあちらの方が激戦だったと聞いているし、残敵と言っても金剛型も一航戦も紀伊もいない今では、侮れない状況だぞ。」
日向が横目で伊勢を見ながら言った。
「紀伊はともかくとして、一航戦の代わりなら大丈夫!」
瑞鶴が胸に手を当てた。
「というか、一航戦以上に活躍して見せるわ。ねぇ?翔鶴姉。」
「瑞鶴ったら、駄目じゃないの。もう、何度言ったらわかるの?大先輩に対して失礼でしょう?」
いつものやり取りだったが、鳳翔も日向
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