人間と魔族
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た。勿論魔族とバレない為の嘘だが、彼は信じたようだ。…意外と馬鹿だな。そう思っていると、神父が出てきて話を始めた。暫く聴いていると隣の彼がまた目を閉じていたので、また寝ているのかと思いそのままほっといた。しかし、彼は祈りの時間になっても起きないので仕方なく揺すって起こそうとしてが、中々起きず諦めかけた時に彼は目を覚ました。どうしたのかと聞いてきたので、貴方が寝ていたので起こしたんだと伝えた。もうお祈りが始まっていたので、彼は大人しく静かに祈りを捧げていた。お祈りの時間が終わったあと、皆が帰る中、私は神父と話をしようと向かった。以前から神父とはよく話し、自分が魔族だと言っても、顔色ひとつ変えずいつも通り接してくれた。そんな態度を向けてくれるのは神父だけだった。神父は私が来るのを待っていてくれた。週一で来る私は一週間にあった事全てを話すようになった。その間神父はずっと丁寧に聴いてくれるのだ。
「先週はどうでしたか?」
彼は優しく問いかけてくれた。私は先週あった事をゆっくり話した。でも、一つだけ言いにくい事があり少し落ち込んでいると、神父はそれに気付きどうしたのかと聞いてきた。私は躊躇したが、やっぱり話してしまった。
「実は、二日程前に母の夢を見たんです。母といっても見たことがないので、それっぽい人ですけど…そして、母が言ったんです。もう直ぐお前の救世主が現れる。近々、ZEROの覚醒が起こる…って」
神父はいつもの様に優しく微笑んだまま、その夢は覚えていたほうがいい。と、言った。もっといいアイデアをくれるのではと期待していたが、無理だった。しかし、話を聴いてもらったことで少しばかり気が楽になった。時計を見ると、もう直ぐ学校が始まる時間なので急いで行こうと思い、後ろを振り向くとあの少年が遠くでこちらを見ていた。先程までの会話を聞かれているかもと思うと、腹が立ち目も合わせず教会を出た。
〜私は知らなかった。これから始まる私と彼との物語を〜
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