0章天涯孤独のドラゴンスレイヤー
prologue.1
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ある日の夜、一つの町が炎に包まれていた
かつて町があったと思われたそこは、その町一帯を覆い尽くすほどの紅蓮の業火とたくさんの瓦礫と黒こげになった死体の山が積み重なって異様な光景を生み出していた
つい先日まで、この町が人々の活気で賑わい、いたって平和だったと言って誰が信じるだろうか?
否、誰も信じないだろう
本来なら住宅が立ち並ぶ緑豊かな大地が紅蓮の業火と真っ黒な瓦礫で埋もれているのだから
あるものは地獄というかもしれない
あるいは世界の終わりともいうかもしれない
そう例えてしまうほどの惨状が広がっていた
そして、その中で家があったと思われる場所で、ふと一人の少年が瓦礫を押し上げながらフラフラと立ち上がった
「う・・・うぅ・・・うぁぁ」
少年は白い髪と紅と銀の非対称の目が特徴のまだ10にもなっていない子供だった
「一体、何が?」
顔の右半分に手を当てる。ずきりと痛み、顔を少し歪める。そして、彼は朦朧とした意識で周りをみた。
そして、
「う、うわぁぁあぁぁぁぁぁぁ??」
周りの惨劇を見てしまい、叫び声を上げた。
「なんで、なんでこんなことに・・・・」
彼は頭を抑えながらブツブツと呟く
頬を涙が伝う。体が小刻みに震え始める。言い知れない悲しみや恐怖の感情が体のそこから溢れ出してくる。
そして、何歩か後ずさった時、後ろで倒れている二つの黒い『ナニか』に気づいた
そしてそれらを恐る恐る見た瞬間、絶句した
なぜなら、そこにあったのは二つの男女の死体だったからだ。
男性は短い黒髪が特徴的で、女性の方は長くて綺麗な白髪を一つでまとめていた
「父さん、母さん・・・?」
そう、少年の後ろで倒れて・・・いや、死んでいた二つの死体は少年の両親だった
「ねぇ、父さん、母さん、なんで寝てるのさ、起きてよ、ねぇ父さん、母さん!!」
少年は二人を何度も揺すり起こそうとするもなにも変化はなく、温もりを感じずただ冷たかった。それは二人の死を明らかにしていた
そして少年の口から漏れた言葉は
「殺す!殺してやる!僕から全てを奪ったお前らに復讐をしてやる!!」
怨嗟の声、ただこの惨劇を起こした敵に恨みの言葉を綴っていた
少年は叫ぶ
その瞳に復讐の炎をたぎらせながら
怒りと悲しみが混ざり合った慟哭を
ただひたすらに
そして少年は大粒の涙を流しながら叫び続け、手を握りしめ、ずっと空を仰ぎ
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