第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#20
DARK BLUE MOON? 〜Breathless Night Extreme〜
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【1】
「調・子・に・乗るなァッッ!! 若年のフレイムヘイズがァッッ!!」
少女の喊声を打ち消すように、美女の叫声も空間に轟いた。
同時に、残ったトーガ全てが瞬時に元の存在の力へと還り、
蒼き螺旋を渦巻きながらマージョリーの躰へと戻っていく。
その表情に最早微塵の余裕も無い。
己が全霊を以て斃すべき敵だと、捲き起こる狂暴な感情と共に美女は理解した。
(とうとう “クる” か……!)
一方的に戦局を押し進めていたシャナだが、
美女の裡で練り上げられそして集束されていく
炎気の凄まじさに想わず逡巡する。
そう、これまでがどれだけ優勢で在ろうと、
ソレはすべて 「前哨戦」 にしか過ぎない。
どんな不利な戦局だろうと、ソレを一撃で覆してしまい得る
極大なる “焔儀” を彼女は持っている。
従ってその元を全て封殺してしまおうとしたシャナだったが、
それを易々と完遂させるほどフレイムヘイズ “弔詞の詠み手” は甘くない。
しかもスタンド能力と違いどれだけトーガを消滅させようと
ソレを行使する 「本体」 へのダメージは一切無い。
故にこれから初まる、互いが全力で撃ち放つ
壮絶なる焔儀と焔儀の果たし合いを征した者こそ
この戦いの勝者となるであろうコトを視る者全てが認識した。
「う、む……ここまでは順当に進めてきたが、流石にコレは無謀に過ぎないか?
炎の戦闘自在法では、弔詞の詠み手の方に分が在るのは否めぬだろう。
アラストール、空条 承太郎」
「……」
「……」
ラミーにそう問われた両者は幾分視線を鋭く、
しかし決して引くコトなくマージョリーと対峙するシャナを真っ向から見据える。
胸中に懸念や危惧が無いと云えば嘘になるが、
それよりも篤い彼女を信任する気持ちが二人を無言へと至らせた。
何も言わないその代わりに、己の瞳は絶対に逸らさない。
疵もまだ完全には癒えていない躰で遙か格上の者と一歩も引かずに戦う
少女の誇り高き姿を、スベテ焼き付けておくのが己の責務であるように感じていた。
そし、て。
「“蒼 蓮 拾 参 式 戒 滅 焔 儀ッッ!!” 」
「“紅 蓮 珀 式 封 滅 焔 儀ッッ!!” 」
突如、均衡が破れる如く、二人のフレイムヘイズが炎を振り捲きながら
己を司る焔儀領域の御名を吼える。
同時に少女は眼前で口唇を埋めるように、
美女は天空へと掲げるようにそれぞれ両腕を交差し、
その先に各々が発動させる焔儀の自在式印を結ぶ。
深紅と深蒼。
互いの全身から異なる色彩の火吹きが迸り、
既に己が裡で完成した焔儀を全力で以て発動させる為の体勢
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