第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#20
DARK BLUE MOON? 〜Breathless Night Extreme〜
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弾き飛ばされる。
突如、何の脈絡もなく傍に立ったその存在を
絶句しながらみつめるラミーを後目に、
青年の胸元でフッという微笑が聞こえた。
『……』
神聖な白金の燐光に全身を包まれて出現したその 『能力』 が、
真っ向から美女を見つめ引き絞られた指先を振り子のようにチッチッとやっていた。
そんなモノでは百年経ってもオレを倒せないと啓蒙するかのように。
全力ならまだしも牽制程度の焔儀では、暴走する列車をも止めかねない
近距離パワー型スタンドには大海の前の小波と全く同義。
(ノリアキと、同じ “能力者!?” )
既視感にも似た心情でその存在に視線が釘付けになる美女の視界に映る、
その能力を発現させた男の瞳。
そして交差する二つの瞳を通して静かに告げられる言葉。
(オイオイ……いつまでもオレに眼ェ向けてて良いのか……?
オメーの相手はオレじゃあなくて、 “アイツ” だろ……?)
そう言って顎を差し向ける無頼の貴公子に釣られ、
咄嗟に視線を戻す美女。
「――ッッ!!」
極度に圧縮された時間の中、マージョリーが空条 承太郎に見入っていたのは
実質3秒にも充たなかったが、一瞬の交錯で決着が付く死闘の最中に於いては
世界が一巡するほどの致命的タイムロス。
その間にシャナは大太刀を真一文字に胸元で構え炎を流動しながら、
この戦いの終極を告げるべき “業” を既に完成させていた。
何が在っても絶対に彼は大丈夫という揺るぎのない、
この旅の始まり以降更に強まった “信頼” と共に。
本来外に向けるべき炎気を己の裡に、
宝具である大刀を経由して極限まで修練させ、
ソレを一挙に開放して全身に駆け巡らせる驀進永続斬刀撃。
『スタンド使い』 と “フレイムヘイズ” その互いの存在、
何れが欠けても実存不可能な至宝の能力。
星麗無双。灼滅の殲覇。
【贄殿遮那・星幻灼姫ノ陣】
発動者名−空条 シャナ
破壊力−AA スピード−AA 射程距離−B(最大50メートル)
持続力−AA 精密動作性−AA 成長性−AA
『Go……SHANA……(いけ……シャナ……)』
“Yes I am……(ハイ……!)”
二つの言葉が重なった瞬間。
少女の足下から紅蓮の灼光が弾け、次いで足下の強化ガラスにも鋭い亀裂が
走って周囲に捲き散る。
(消え、……!?)
瞠目したマージョリーの視界に映るモノは、紅蓮の色彩を反照する硝塵のみ。
ソノ余りにも迅過ぎて目視ままならぬ少女の影が、
大刀を斜に構えたまま既に己の超至近距離に迫り、戦慄の一撃を振り下ろしている。
「――ッッ!?」
美女がグリモア内部に記載された、纏
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