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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#20
DARK BLUE MOON? 〜Breathless Night Extreme〜
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た表情からは一転、
破滅の風が吹き荒れる戦場の直中で、まるで聖女のような微笑みを彼に向ける。
「ずっと、一緒にいてくれるんでしょう……?
だったら、大丈夫よ……信じてよ……」
「……ッ!」
 痛みで啼き叫ぶよりも、それに堪えて微笑まれるほうが、ずっと何も言えなくなる。
 彼女と、マージョリーと初めて出逢った時の、
そしてソレ以降の光景が、マルコシアスの裡で甦った。
 創痍の躰を押して、マージョリーは三度シャナと対峙する。
 追い込まれれば追い込まれるほど、絶対にソレには屈しないという
確固たる決意の許、尚も蒼炎は燃え上がる。
「まだ、続ける気……? もうこれ以上は、どっちが勝っても無意味よ」
 傷つきながらも倒れない、全身ズタボロになっても最後まで立ち向かう、
その尊さを誰よりも知っている為、少女は悲痛な声を滲ませてそう告げる。
「フフフフフフフ、もうここまで来ちゃったら、互いに治まりがつかないでしょう。
アンタもフレイムヘイズなら、いい加減そこらへんの所を覚りなさい。
命取りになると言ったはずよ、その甘さ」
「――ッ!」
 胸中を突く一言。
 自分は今、自分が 「正しい」 と信じたコトの為に戦っている。
 でもそれは、実はそんなに大事なコトじゃない。
 口で言うだけじゃダメ、頭で想うだけでもダメ、
本当に大事なのは、本当に本当に大切なコトは――
 何が在っても、絶対に揺るがないコト。
 どんな苦境に立たされても、ソレを貫くコト。
 そういう意味では、例え狂気の妄執に取り憑かれていたとしても、
目の前のこのフレイムヘイズの方がずっと己に殉じていた。 
 その美女に少女は、彼に対する気持ちとはまた違う、
親愛にも似た感情が芽生えるのを覚える。
 それと同時に、互いが憎いわけでもないのに戦わなければならない
その 『運命』 に、何故か無常な寂しさと哀しさを感じた。
「……ならもう、何も言わない。全力でアナタを止めてみせる。
同じフレイムヘイズとして……!」
 言葉の終わりと同時に煌めきを増す、黄金と紅蓮を共に宿した気高き双眸。
「ヤれるものなら、ヤってごらんなさい。
追いつめた気になってるんでしょうけど、
コレでようやく五分以下だってコトを教えてあげるから」
 灼けつく躰で強い視線を受け止めながら、美女は不敵にそう返す。
 言いながらも(したた) かに、その脳裡ではこの戦局に於ける最終手段を
既に構築しつつ在った。
(もうここまで来たら……“F ・ B ・ B ・ D(フォビドゥン・バイツァ・ブレイクダウン)
しかないわね……まさかここまで追い詰められるとは想わなかった……
存在の力は残りを振り絞ればなんとか確保出来るけれど、
でも流石に発動までの時間が大きい……

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