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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#20
DARK BLUE MOON? 〜Breathless Night Extreme〜
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爆炎でズタボロになり、
所々が灼き裂けて白い素肌が露出している。
 だが戦意と殺意は微塵も衰えるコトはなく、
寧ろ先刻以上の急迫を滲ませ燃え滾っていた。
 鮮血の付着したルージュの隙間から、手負いの獣のような呻り声が微かに漏れる。
「まだ!! 来ちゃダメッッ!!」
 反射的に傍へと駆け寄ろうとしていた二人に、シャナが背を向けたまま叫んだ。
 その言葉は、最後まで自分が戦うという信念以上に
大切な二人を戦闘に巻き込みたくないという優握な想いが在った。
 半分まで出かかっていたスタンドを静かに引っ込め、
承太郎は呆れたように言う。
「やれやれ、しぶてーヤローだ。自在法、か?
ンなもんを練る暇はなかったようにに想えるがな」
「うむ。確かに練達の自在師とはいえ
“アノ瞬間” は無理であっただろうな。しかし……」
 そのアラストールの言葉を先読みし、
承太郎はマージョリーの纏うズタズタのタイトスーツに眼を向けた。
「なるほど、ね。戦国時代の仇討ちみてーに
『前もって』 準備してたってワケか。
流石に一流のフレイムヘイズ。一筋縄じゃあいかねーってコトか」
 近代ビルの一画を崩壊させる程の大爆炎を受けたのにも関わらず、
美女の着ている服は想いの外原型を留めており、
裂け目から露出している肌からも出血が少ない。
 ソレはマージョリー自身の炎に対する抵抗力も在るが、
その本質は今までの凄惨なる戦闘経歴に起因。
 善も悪も関係ない、そして一瞬の油断も赦されない無情なる戦場の直中に於いて
常にあらゆる最悪の事態を想定していた為、予め己の躰と服装に
ミエナイ形で防御系自在法を編み込んで在ったのだ。
 戦闘系の自在師ならば別段珍しいコトではないが、
永い時間をかけて周到に編み上げた為その防御能力は絶大なモノを誇る。
 しかしシャナの撃ち放った焔儀はその障壁すらも突き破り
更にマージョリー自身にも甚大なダメージを与えた。
 恐らくその備えが無ければ、先刻の爆滅焔儀で跡形もなく焼滅していただろう。
「クッソガキがァ……ッ! “輪流式(あんなモン)” 遣えるなんて聞いてねーぞ……!
確か “万条の仕手” でも “儀装の駆り手” でも無理だった筈だ……!
どうする? 我が愁傷の愛妃、マージョリー・ドー。
こうなったら、 『オレがいくか?』 」
 受けたダメージ以上に、己の大切な契約者(フレイムヘイズ)
惨憺足る有様にしてくれた者に、怒りと共に火を吐き散らすマルコシアスへ
マージョリーは私憤を諫めて気丈に言う。
「私を、一体誰だと想ってるのよ? 
我が蒼惶の魔狼、マルコシアス。
この程度、何でもない。まだまだこれからよ」
「だ、だがよ!」
 食い下がるマルコシアスにマージョリーは先刻の憎しみに支配され
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