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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#20
DARK BLUE MOON? 〜Breathless Night Extreme〜
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て 『自分でも出来ない』 法儀を
少女が敢行したその事実に。
 そう、数多の高度な自在法を携えるマージョリー程の “自在師” で在っても、
強力な焔儀を間を置かず 『連続して』 撃ち放つコトは出来ない。
 スタンド能力と近似して、フレイムヘイズも紅世の王で在っても
原則として 『一度に撃てる焔儀は一発だけ』
 故にソレで相手を討滅出来なければ、
当然また一から自在法を編み直さなければならない。 
 しかし目の前の少女は、一つの焔儀を生み出すその過程の最中
もう一つの焔儀も平行して、二つの自在法を 『同時に』 編み上げていたのだ。
 ソレは、努力や修練、経験という領域を超えた生まれついての才能、
“天倫” の域に既存。
 美女がいくら少女を上回る百戦錬磨のフレイムヘイズだとしても、
『無いモノはどれだけ時を経たとしても修得するコトが出来ない』
 無論ソレを発動する際の躰に対する反動は焔儀を二発撃ち放った時の比ではなく、
更に複雑に錯綜する力の制御に伴う精神の消耗も甚大なモノとなる。
 己の超人的な恢復(かいふく)能力すらも犠牲にして、
一切の迷いなく無謀とも云える法儀を敢行した少女。
 しかし!
 空条 承太郎と空条 シャナ。
 素質は潜在の中で眠っていたとしても、その何れの存在が欠けても、
ソノ 『能力』 を目覚めさせるコトは不可能だっただろう。 
 そしてソレこそが、昨日(さくじつ)アラストールの刳り出した、
歴代フレイムヘイズの中でもごく僅かしか為し得なかった
紅世至宝の究極焔儀 【真・流式(ネオ・ムーヴ)】の “骨子” と成る儀法。
輪 流 式(デュアル・ムーヴ)』 
 炎の形容を超え、純粋なエネルギーの塊と化した閃熱の光芒が
崩れかかっていた灼熱の炎架を爆発的に後捺しする。
 一発一発の焔儀では遠く及ばないが、二つの焔儀を 「結合」 させれば
如何にマージョリーの最強焔儀と云えども瞬間的になら凌駕し得る。
 やがて狂暴な炎を噴き散らす蒼き鉤十字はシャナの放った二つの焔儀の圧力に
捺されて大きく(ひしゃ) げ、そのまま放った勢いを逆方向に変換してマージョリーの許へと
蜷局を巻いて戻ってきた。
(な、に――ッッ!?)
 グラス越しの視界を埋め尽くす、紅蓮と蒼蓮の極彩色。
 彼女の美貌を焔儀の放つ灼光が一度鮮やかに照らした。



 
ヴァッッッッッッッグオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ォォォォォォォォォォォ―――――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!
 


 虹彩を灼く焦熱と、鼓膜を劈く大爆裂音が因果の流れを無くした美術館全域と
その周辺に響き渡る。
 継いで屋上を覆うガラスの大天蓋が風に散る花片のように次々と割れ、
内部に組み込
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