第77話本戦開幕
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。それだけならまだ問題ない。でもーーー
「・・・それでもキミは引き金を引けるか?」
「っ!!」
今の言葉ーーー
『もし・・・もしその銃の弾丸が、現実世界のプレイヤーをも本当に殺せるとしたら・・・そして殺さなければ自分が、あるいは誰か大切な人が殺されるとしたら・・・その状況、それでもキミは引き金を引けるか?』
オレが昨日、シノンに言ったセリフだ。
「ライリュウ。あなたはもしかして、あのゲームの中に・・・ゴメン。聞いちゃいけないことだったね」
「いや、いいんだ。それに・・・キミの考えてること、多分合ってると思う」
もう中途半端に知られてもいい。あそこまで言ったんだ、誤魔化すつもりもない。
「そろそろ待機ドームに移動しないと」
「・・・ああ」
もう本戦開始まで残り10分切ってる。装備の点検や精神集中もあるし、そろそろ待機ドームに行かなきゃーーー
******
待機ドームに向かうためにエレベーターに乗っている。ここにはオレとシノンの二人きり。普通なら浮かれるような場面なんだろうけど、オレたちはライバルだ。
「あなたにもあなたの事情があることは理解したわ」
シノンが後ろから近付いて来ながら声をかけて、見えないが指をピストルのようにして背中に突きつけているのが分かる。
「でも、私との約束は別の話よ。昨日の決勝戦の借りは必ず返すわ。だから・・・私以外の奴に撃たれたら絶対許さないから」
「・・・分かった。キミと出会うまで必ず生き残る」
オレにはオレの目的があるが、彼女との約束もある。約束は守る。絶対に守る。それがーーーオレのモットーだから。
「・・・ありがとう」
この時シノンが発した言葉を、オレは聞き逃さなかった。
三人称side
【ガンオイルと硝煙の臭いが大好きなバトルジャンキーたち、準備はいい!?】
《ガンゲイル・オンライン》最強プレイヤー決定戦、《バレット・オブ・バレッツ》。開幕までの残り時間は5分を切っていた。銃の世界の首都、グロッケンの街中にある大型モニターに映った妖精の世界の猫妖精のような猫耳の女性司会者の言葉に反応し、グロッケンの男たちは選手の勝敗でギャンブルをするために締め切りまでに賭け金を商人に我先にと払っている。
【さあ!バーチャルMMOで最もハードなGGOで最強プレイヤーが今夜決定!!】
今夜のこの祭典を誰もが楽しみにしていた。この大会で優勝して最強の座を冠するため、多くの銃士たちが技を磨き、己を鍛えてきた。
この大会は完全生中継。この銃の世界だけではなく、全ての仮想世界に彼らの戦いが放送される。
そして、本戦開幕のカウントダウンが始ま
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