機動戦艦ナデシコ
1443話
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しない。
「とにかく、全員荷物を部屋に置いてきた方がいいだろ。荷物を持ったままでは動きにくい」
明日のライブと、一日の休日を合わせて二泊三日の旅行だ。
明日のライブが終われば休日が待っていると思えばこそ、明日のライブでも頑張ってくれるだろう。……いや、シェリルを始めとして歌が好きなメンバーが揃ってるんだから、そんなご褒美のようなものがなくても十分に頑張るか。
荷物を持って早速ホテルのカウンターへと向かっている面子を眺めながら、そんな風に考える。
「ホテルの警戒をもっと厳重にしろ。妙な真似をする奴がいるのは今回の件ではっきりした。それと、捕らえた奴は討伐軍に引き渡せ。ただ、情報を聞き出す際には必ずシャドウミラーからも人を出せ」
「了解しました」
何を考えてナイフを持ってきたのか。それをはっきりさせなければ、安心は出来ない。
これがシェリルを含めて暴力で脅して乱暴を……具体的には強姦をしようとしたというのであれば、理解出来ないでもない。……当然許せる筈がないが。
だが、それ以外の理由で……それこそ賊軍の手の者が何らかのテロ行為を起こそうとしてやって来たのであれば、情報は必須となる。
まぁ、ナイフしか持ってなかったのなら、テロ行為を起こしてもその被害は限定的だろうが。……それ以前に、量産型Wにあっさりと鎮圧されるか。
俺の指示に従って離れて行く量産型Wを見送り……ふと、視線を感じる。
その視線を向けてきている奴の方を見ず、近くのガラスの反射で相手を確認する。
30代……もしくは40代程の男。それがホテルの入り口付近で、誰かと待ち合わせでもしているかのような風を装いながら、俺へと視線を向けていた。
俺が目立つというのは、今更言うまでもない。
シャドウミラーの代表という時点で目立つのは避けられないし、討伐軍結成の映像にも出ていたのだから。
だが、今俺に向けられている視線に敵意の類はない。
もしこの男が賊軍のメンバーであれば、俺に恨みを抱いている筈。
なのに、何故だ? いや、賊軍とは全く関係のない相手か?
その可能性も十分にあるが……さて、どうしたものか。
いや、捕らえようと思えば捕らえるのは容易に出来る。
だが……その理由がない。
まさか、俺を見ていたからというだけで捕らえられる訳もないし。
いや、そうだな。別に捕らえる必要はないのか。ちょっと話し掛けてみるだけでも、ある程度の情報は得られるだろう。
そう判断すると、何気なさを装って振り向き、ホテルの出入り口へと向かう。
近づいてくる俺を見て、向こうも動きを見せる。
ふと視線を逸らし、誰かに軽く手を振ってそのまま去って行った。
偶然か? まさか、こんな状況で偶然が起こるとは思えないし、何より向こうは俺が
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