暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン55 科学水龍と神の雷
[1/11]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
『いいかね三沢君、我々は〜……』
「はい、博士!」

 ついに僕らの元いた世界とのコンタクトに成功した……のはいいけれど、ツバインシュタイン博士と三沢の会話は専門的すぎて門外漢の僕には何がなんだかさっぱりわからない。まあ、三沢本人が理解できているのだからそれでいいだろう。
 それよりも、僕には気がかりなことがあった。先ほど突然地面からそびえ立ったあの何本もの柱、どうも嫌な予感がする。

「おい、清明!」
「オブライエン!」

 そのタイミングで丁度来てくれたのはオブライエンとそのゆかいな仲間たち。ブルーベレーとか何とかいうチーム名で呼ばれる、オブライエン本人がこの世界に来てから突貫工事で鍛え上げた選りすぐりの猛者たちだ。そのブルーベレーがサッと発電所の周囲を囲むように散らばり、一瞬の隙も見せずに警戒態勢に当たる。その様子を見て頷いたオブライエンが、見張りの仕事を取られて一気に暇になった僕に語りかける。

「すまなかったな、清明。まず結論を言うと、やはりあのデュエルは囮だった。マルタンの狙いは発電所でも食料でもなく、あの柱の根元にあるらしい。すでに十代が彼を追っている」
「十代が?1人で?」

 多分、十代なら1人でも勝つだろう。彼はそういう男だ。僕が今から追いかけたとしてもできる事なんてせいぜい露払いがいいところだろうし、それ以前に足を引っ張る可能性すらあるだろう。その話題はそれまでにして、1つ気になることについて聞いてみた。

「そういえばオブライエン、ゾンビ生徒ってどうなってるの?ちょっと減ったりとかしてない?」

 ついさっき三沢は、明らかにマルタンの息のかかったコントロール奪取能力持ちの悪魔族カード、憑依するブラッド・ソウルを撃破した。もしこれで生徒たちのゾンビ化が解けているなら、それに越したことはない。
 だが、オブライエンはそんな希望的観測に対してあっさりと首を横に振った。

「駄目だな。あの3人は正気に戻ったようだが、むしろその後で不意を突かれて襲われ、ゾンビ化した生徒が何人かいる。ちゃんとした数はまだ把握できていないが、楽観はできないだろう」
「そう……」

 となると、他にもまだ洗脳担当のモンスターが潜んでいるのだろうか。だとすると、それをいちいち探すよりも頭、つまりマルタン自身を直接叩く方がよさそうだ。十代には、いつも負担ばかりかけてるけど。
 すると後ろの通信で聞き覚えのある声がした。ぼやけた映像を見ると、そこには見覚えのある顔2つが。

『清明!』
「夢想!それにエド!」
『僕をおまけ扱いとは、相変わらずいい根性だなお前は。まあいい、今の話は聞いていたか?すぐテニスコートに向かってくれ』

 相変わらず年下とは思えないほどデカい態度のエドがなんか言ってるけど、んなもん無視だ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ