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おぢばにおかえり
第三十四話 あちこちでその十

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「おみちの人ね」
「そうですか?」
「それも教会か布教所にいるみたいな」
「教会ですか」
「そんな感じだったわ」
「この高校そうした場所出身の人多いですしね」
「多いわね、確かに」
 むしろそうした場所から集まってきている学校です、このことは他の天理教の学校も同じです。
「私もそうだし」
「そもそもそうした人達の為の学校ですか」
「将来天理教の教会長さんや奥さんになる人達の為の」
「そうですよね」
「ええ、専修科もね」
「高校卒業してから入る」
「そう、二年間ね」 
 言うなら天理教の専門学校です。
「そうした学校もあるし」
「それで天理高校も」
「そうした一面があるというか」
 むしろです。
「私なんかはね」
「そのままですよね」
「私長女で娘女の子ばかりだから」
 妹が二人います、二人共私そっくりです。
「私が継ぐけれど」
「教会を」
「お婿さん迎えてね」
「じゃあ僕も真剣に勉強しないといけないですね」
「どういうこと?」 
 また変なことを言い出したと思いました、ここで。
「それって」
「ですから将来に備えて」
「おみちのことを勉強することはいいことよ」
 阿波野君の言っていることがどうにもわからないまま答えました。その間も床を拭いていきますが親神様の御前に来たら二人で手を合わせることは忘れませんでした。
 廊下を拭きつつです、あらためて阿波野君に尋ねました。
「けれど将来って」
「はい、僕も」
「教会長さんになりたいの?」
 ひょっとしてと思って聞き返しました。
「阿波野君のお家って教会じゃないでしょ」
「まあそこは」
「まあ教会長さんになりたいのなら」
 その教会のそれぞれの事情で他のお家から後継者に来てもらう教会も多いので。
「勉強しないとね」
「そうですよね」
「ええ、けれど教会長さんになるんだったら」
 私は阿波野君にお話しました。
「ようぼくになってから講習受けないと駄目よ」
「教会長さんになる為のですか」
「教人にならないと駄目だから」
 教会長さんになるにはです。
「だからね」
「講習を受けないといけないんですか」
「教会長さんになりたいのなら」
「そうなんですね、そういえば」 
 ここで阿波野君は気付いた様に言ってきました。
「詰所に修養科生の人達いますね」
「ええ、三ヶ月天理教のことを勉強してるの」
「そうなんですね」
「ご守護も得られるし」
「いい場所なんですね」
「楽しいって聞くわ」
 修養科での三ヶ月の生活はです。
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