第二十二話 心と身体その十六
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「些細なことからわかるから」
「気をつけないといけないですね」
「そう、そこから困るのは君だから」
「マスコミにばれたりしたら」
「何度も言うけれど彼等は特権を持ったならず者だよ」
日本のマスコミはというのだ。
「報道する自由を盾にすることと情報にお金を独占したね」
「それだけでもう、ですね」
「他の権力を凌駕するまでの力があったから」
今はネットによりかなり弱められてはいる、しかしそれでもその力は新聞や雑誌、特にテレビを持っていることからくる権力はまだ強い。
「しかも他の権力より腐敗しているんだ」
「政治家や官僚よりも」
「あんなものじゃないよ」
どちらの世界にもそうした話があるが、とだ。岡島は優花に真剣な顔で答えた。
「ある新聞の社長が球界をずっと私物化していたね」
「そういえば」
「ああしたことが許されるんだ」
「マスコミだったら」
「そう、あんなやりたい放題もね」
これ以上はないまでに顔を顰めさせての言葉だった。
「出来るのが日本のマスコミだよ」
「そこまで強い権力を持っていて」
「あんな横暴な人間がいるんだ」
「本当に酷い世界なんですね」
「日本で腐りきっている世界は知識人とマスコミ、組合だよ」
この三つだというのだ。
「学校の先生でも労働組合でもね」
「腐っているんですね」
「そう、この三つは結託していることも多いし」
知識人、学校の教師も含まれる。その知識人とマスコミと組合即ち労働組合は実際に結託して左翼勢力となっている。
「腐りきっているんだ」
「そしてそのマスコミの人に」
「君のことが知られたらね」
「大変なことになりますね」
「ワイドショーの的だよ」
テレビの、というのだ。
「まさにね」
「ワイドショーの」
「彼等は人権を言うけれど」
よくこれを盾にして他者を攻撃するが、というのだ。
「彼等程人権を踏み躙る存在はないよ」
「報道で、ですか」
「世間に晒しものにするからね」
「プライバシーの侵害ですね」
「それも平気でするからね」
この件もまた枚挙に暇がない、日本では。
「だからね」
「このこともですね」
「注意してね、本当にね」
「些細なことで、ですね」
「わかってしまうから」
「僕のことも」
「その訓練もしないとね」
女の子として生きるそれもというのだ。
「ばれない為にもね」
「それもですか」
「ちょっと所長さんと話してみるよ」
この療養所の責任者と、というのだ。
「そのことについてもね」
「そうですか」
「そう、そしてね」
「完全にですね」
「女の子になろうね」
優花自身の為にもというのだ。
「些細なことも含めて」
「そうしたことも違うんですね」
「男まさりという言葉があるけれ
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