第二十二話 心と身体その十四
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「毎日」
「ああ、そうだったんだ」
「はい、やっぱり学校に戻ることは言われていましたから」
「だからだね」
「それは続けていました」
この辺り真面目な優花の性格が出ていた、それに療養所にいるとどうしても時間があるのでそちらにも時間を割いてそれを潰していたのだ。
「ずっと」
「それなら遅れもないね」
「学業のですね」
「そう、やっぱり学生だから」
高校生、優花のこの立場のことも話した。
「そうしたことはね」
「やっぱり頭に入れておかないといけないことでしたね」
「それを忘れていなくてよかったよ」
温かい笑顔での言葉だった。
「じゃあね」
「はい、それならですね」
「学校に戻っても楽しく過ごしてね」
「そうさせてもらいます」
「後は」
岡島は優花にさらに話した。
「アパートもね」
「そちらもですか」
「決まってるから」
「何か全部決めてくれたんですね」
「学校は八条グループの関連だし」
「アパートもですか」
「ここの八条グループの企業のね」
「そうなんですね」
「だからすぐに決まったよ」
そうした生活のことはというのだ。
「簡単にね」
「八条グループって凄いですね」
「世界的な企業でしかも拠点は日本だからね」
「日本にいるとですか」
「八条グループに関係しているとそのサービスを受けられるよ」
実際にというのだ。
「こうしてね」
「そうなんですね」
「もっとも君が八条学園に通っていなくても」
岡島の目が真剣なものになった、温和な笑顔はそのままだがそれは医師として人間としての良心がさせるものだった。
「こうしたことになれば」
「その時はですか」
「どちらにしてもね」
「学校もアパートも」
「こうして決めていたよ」
「そうですか」
「君がこの療養所に入ったからにはね」
「患者みたいなものだからですか」
「療養所に入った人に対しては全力を尽くす」
それはまさにというのだ。
「僕達の務めだからね」
「お仕事ですね」
「義務でもあるね」
「義務っていいますと」
「医師として、人として」
この立場でというのだ。
「そうあるべきと思ったから」
「そうですか」
「うん、じゃあね」
「はい、女の子になって」
「外に出てもね」
「幸せにですね」
「過ごしてね」
こう優花に話した、彼に彼自身へのレントゲン写真を見せつつ。優花の身体はいよいよ本格的に女性のものになってきていた。
それは身体だけでなくだ、心もだった。
花を見ることも多くなった、療養所の向日葵達を見てだった。
優花はこれ以上はないまでに優しい目になってだ、一緒にいる岡島に言った。
「絵に描くだけでなく」
「こうしてだね」
「今まで以上にずっと観ていたいと思
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