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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第百五話 幼き魔術師達の覚悟
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二人を守るために早急に身内として取り込んだということは理解出来ていた。
「すずかちゃんとアリサの魔術、士郎君の行動の意図も理解した。
二人のことを思ってくれたことに心より感謝する。
だが、私たちを呼んだのはこの説明だけというわけではないんだろう?」
「はい、本当のお話はここからといっても良いかもしれません。
アリサとすずかの」
「待って、士郎君」
今まで静かに士郎と自身の家族との会話を聞いていたアリサとすずかであったが、すずかから待ったがかかり、二人でアイコンタクトを交わす。
「ここからは私達から話をさせて下さい」
「私とすずかの進む道の事だから」
士郎は静かに頷いて見せる。
「私とすずかはこのまま魔術師への道を歩もうと思ってます。
今はなのは達みたいに管理局に入ったりはしません。
だけど」
「この力を正しく覚えて使いこなして、義務教育を過ぎた時に、士郎君の弟子としてしっかりと横に立ちたいと思っています」
アリサとすずかの進む道。
魔術師として士郎の弟子として付いて行くという宣言。
あまりに予想していない言葉に二人の家族は目を丸くし、顔を見合わせ、二人を見つめる。
静かに、そして覚悟を確かめるように見つめ、交わされる視線。
その中で二人の瞳は揺らぐ事無く、静かにだが確かな力を秘めて輝いていた。
「二人とも戦って命の危険に晒されるかもしれない。
そして、自分自身が誰かの命を散らすことになるかもしれない。
それを理解して、その覚悟もあるんだね?」
「はい。
誰かの命を奪ってしまうことも、自分の命を奪われることも怖いですし、きっと誰にも見せることが出来ない姿なんだと思います」
「でも、そんな姿になっても私たちは突き進みたい。
この想いを貫きたい」
恐らく命のやり取りなどその場に立たねば本質は理解できないであろう。
それを理解し、イメージでは足りないとしても、すずかとアリサの二人は覚悟を持って立って見せると覚悟を決めていた。
アリサの父親は自身の妻とすずかの母親に視線を向ける。
先に口を開いたのはアリサの母親であった。
「正直、二人の目を見てから……いえ、アリサの目が変わったときからいつかそんな話が出るんじゃないかと思っていたけど、親としてはすごく、本当にすごく心配よ」
アリサは母親の心配そうな顔に謝るという選択肢があったが、両親が心配させてしまうことを理解した上で選択した。
だからこそ、それを正面から受け入れながらも謝りはしなかった。
「でも同時にそれだけ強い覚悟と想いを持って道を決めたのは嬉しく思うわ」
親に自身の覚悟を認められ、安堵と共にアリサの瞳に涙が浮かぶ。
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