悪党は問答無用に痛い目にあうのがテンプレ
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離れした力が有るのかよ!ふざけんなよ!何でそんなのが現れるんだよ!」
誰かが思う。ヒーローが現れたなら数が多い自分達は適当に倒される雑魚戦闘員か?
ビュン、ヒュン、ヒュン、
退いた男達に構わず赤い戦士はバトンの様に槍を回す。
赤い戦士は拳銃を持った男達に取り囲まれ発砲もされた。なのにその場に自分しか存在しないと思っているのか試すように槍を振っている。槍が通った場所には炎が現れ消える。
空に向かって槍を振るう赤い戦士は隙だらけに見える。二つの弾丸は弾かれたが連射すれば!だが男達は誰も拳銃を射たない。
理由は二つ。
あんなどう見ても重たい姿で槍を振り回してたら勝手に疲れるんじゃないか?という身も蓋もない常人に則した考え。
そしてもう一つの理由
見惚れていた。
男達の心を奪ったのは赤い戦士が繰り出す危険で何処か幻想的に見える美しい赤い戦士の演武、炎の槍の舞い。
超人が繰り出す絶技。
鋭い槍の軌道に沿って現れては消える炎の軌跡。男達だけでなく誘拐された少女まで見惚れた。
目の前で繰り広げられている美しいモノをもっと見たい。場違いにもそう考えた。
回天、刺す、凪ぎ払う。
力強く、鋭く、美しい槍の軌跡。
超人たる赤い戦士の繰り出す見るものを魅了する炎と槍の舞。
男達は完成された様にも見える武と炎を纏う槍の舞の美しさにみせられた。状況を忘れるほどに魅せられた。
舞が始まってから少し経ち、槍の舞に魅了されていた男達が、突如現実に戻る!
「な、なあ早くなってないか」
最初は目視すら出来ない事でようやく槍を振る速度が上がっているのに気が付いた。
「どうなってんだよおい!?」
「あ、おい!槍が消えた!?」
次に音が聞こえるのに槍が見えなくなる。遂には……
「うわぁ!?」
「止めてくれぇ!」
部屋のコンクリートの床や壁がバン!という音と共に見えない斬撃に切り裂かれた。槍を振る速度が上がった為に発生した鎌鼬、不可視の斬撃。
室内を縦横に飛んでいる見えない斬撃。 壁の向こう側が見える程深く切り裂かれたコンクリートの壁。
コンクリートよりは柔い人の身体なんて軽く切り裂けるだろう。
男達の大半は命の危機に正常に戻ると咄嗟に身を伏せた。自分の身を優先、赤い戦士自体を誰も止めようとしない。 いや何人か伏せながら銃で反撃しようとしたが狙ったようにその男は見えない攻撃に晒された。
ヒュン、ヒュン、ヒュン、ズガン!
いつ命を刈り取るか判らない槍の舞い。抗えない理不尽な暴力の時間、普段は自分達がしている理不尽が男達を襲う。……同室の少女達もガタガタと震えていた。
「や、やんだ?」
生きた心地のしない時間は唐突に終わりを迎える。
赤い
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