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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第539話】
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はどうなさいます?」

「……ッ、離せ!」


 入り口から聞こえてきたのはスレートの声だった、そしてその傍らには拘束されたエム――織斑マドカが居た。

 ウィステリア達四人が地下レストランに着いた時、外で待機していた彼女だがカーマインが誰とも知れぬ輩を連れてきた為に拘束しようとした。

 だがそれをスレートに阻まれ、先に三人を地下レストラン内へと入れさせてから生身での戦闘――そして拘束された結果だった。


「その女は【ロストチルドレン】計画の人間だ、そのまま拘束しろ」

「あぎゃぎゃ、エム……スレートにやられてる様じゃまだまだだな」

「…………ッ!」


 カーマインにそう言われて睨み付けるエム、一方のスレートは――。


「カーマイン、その言い方だとまるで僕が弱いみたいではないですか」

「あぎゃっ? 違うのか?」

「違います。 ……全く、何れ君とも決着を着けねばなりませんね」


 スレートの言葉に、シルバーは眉を吊り上げて告げる。


「こら、貴方達。 今はそんな場合じゃないでしょ?」

「……けっ」

「申し訳ありません、シルバー様……」


 大人しくなる二人のやり取りを呆気に取られながら見るスコール――状況整理をすれば、オータムが戦闘不能かつ早く救急車を呼ばないと不味い事態。

 エムに関してもスレートと呼ばれた緑髪の眼鏡をかけた青年が拘束、その隣には白銀の長髪を結って纏めたシルバーと呼ばれた女。

 ターゲットの篠ノ之束は現在カーマインが拘束から開放されているものの、不穏な動きを見せれば直ぐ様捕らえるだろう。

 後はその弱点であるクロエの前にはイルミナーティ総帥ウィステリア・ミストが立ち塞がっている。

 ISを展開して今この場でウィステリアだけでも殺せば、亡国機業が――そんな考えが過った矢先、絶対零度の冷徹な声が聞こえてくる。


「止めなさい。 今貴女が考えてる事を実行に移すのなら……」


 振り返るスコールの瞳に映ったのはシルバーだった、その瞳はいつもの紅蓮に燃える紅い色ではなく、双眸共に、まるで大空の様に澄みきった蒼い瞳へと変わっていた。

 シルバーから放たれるプレッシャーに、表情を表に出さないクロエは無意識下で恐怖を感じ、スコールは背筋が寒く、悪寒が走る。

 束はそれを見、小さく唇の端を吊り上げて笑みを溢した。


「シルバー」


 ウィステリアだった、自身のコードネームを呼ばれ、シルバーは瞼を閉じる――次に開かれた時にはいつもの紅い瞳へと戻っていた。


「さて、済まなかったねスコール・ミューゼル。 大切な会合を邪魔して」

「…………」


 小さく奥歯を噛み締めるスコール
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