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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第539話】
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「肉体も、細胞単位でオーバースペックなんだよ」


 その言葉にスコールは戦慄が走ったその瞬間――。


「あぎゃぎゃ、肉体も細胞単位でオーバースペック? 俺様には止まって見えたぜ?」


 突如現れた赤い髪の男の横やりに、スコールは一瞬驚くも直ぐにニヤリと唇の端を吊り上げる。

 一方の篠ノ之束は笑顔を絶やさずに――。


「誰かにゃー? ……止まって見えたって言うならさぁ。 ――ちょっと本気、出しちゃうか」


 抱き締めていたクロエを離し、右斜めへと跳躍、着地と共に入り口に居たカーマインへと肉薄――オータムにしたように掌打を叩き込もうとするのだが。


「あぎゃぎゃ♪ 遅い遅い♪」


 高速スウェイで掌打を避け、更に束の放つ右、左のストレート、頭部へのハイキック――くるりと空中で姿勢を変えてのローリングソバット、それら全てを笑いながら避けるカーマインに、スコールは手放された弱点であるクロエを見ると同時にカーマインに感謝した。

 これで篠ノ之束は私たちの思いのまま――。

 だが――。


「済まないが、君の思惑通りに事は運ばないのだよ、スコール・ミューゼル」

「……貴方は!?」


 奥歯を噛み締めるスコール――目の前に居るのは亡国機業の上に君臨するイルミナーティ総帥であるウィステリア・ミストだった、イルミナーティの下部組織に今はおさまっている亡国機業の最重要暗殺ターゲット。

 幾度となく刺客を差し向けるも、その命をとることがかなわなかった――だが、目の前にそのターゲットが居る。

 クロエとスコールの合間に立つウィステリアに、クロエは――。


「……束様!」

「くーちゃ――」

「あぎゃっ、隙を見せたな?」


 カーマインはにやりと笑う――意識がクロエに向いていた束は、カーマインに腕を取られ、首筋に腕を巻かれて首を絞められる事態に陥った。


「あぎゃぎゃ、何がオーバースペックだよ。 俺達【イルミナーティ】幹部には到底敵わねぇぜ? 何せ俺様達は死線を潜り抜けてきたんだ、動きは確かにはえぇが……お前の動きは所詮、実戦経験の無いド素人の動きさ」

「わ、私に生身で負かせる何て……!」


 完全に拘束された束、スコールとしてはカーマインを自身の身体で意のままに従わせれると思っていたため、今はウィステリアの事を忘れて目的を達成させようとした。


「よくやったわ、カーマイン。 このまま束博士に――」

「あぎゃっ? ……何を偉そうに上から目線で言ってるんだ? 要求がこの女にあるならてめぇで拘束しな、スコール」


 言って篠ノ之束を解放するカーマイン――その行動に、束自身も驚く。


「ウィステリア様、この者
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