第28話『漁夫の利』
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トしてるから、数える必要は無いんだけど。
でもって、味方が倒れているかどうかは、俺にはわからない。そこら辺の伝達はされないらしいからな。まだ失格してないだろうな?
「?」
そんな事を考えてると、不意に後ろから視線を感じる。振り向いて見てみたが、誰もそこには居らず、ただただ長ったらしい廊下が続いていた。
「おいおい…怪談とか勘弁してくれよ?」
頬を冷や汗がつたり、声が震えた。
別にそういうジャンルが苦手という訳ではないのだが、得意でもない。怖いものは怖いのだ。
俺は嫌な予感がするのを胸を奥で感じながら、違う場所へと歩を進めた。
*
「おらっ!!」
「ふっ!」
俺の炎の拳を、彼女はビート板を盾にして受け止める。まだまだ余裕の表情だ。
「男子にしては力弱いね。晴登でももう少し強いと思うけど」
「弱くて悪かったな」
彼女はビート板をヒラヒラとさせながら言う。
くそ、どんだけ俺の拳は弱いんだ…。別に手加減とかはしてねぇんだけど…。
「これじゃ、ホントに見かけだましになっちゃうよ?」
「慌てんなよ。まだまだこれからだ」
俺はすぐさま、右手の炎の火力を上げた。少し目眩がしてきたが、ここで退く訳にもいかない。もってくれ、俺の魔力…!
*
大地とも別れ、新たに敵を探し始める俺。
だが一向に人の気配を感じることができず、時間だけが刻々と過ぎていた。
そんな時、俺の足はある所で止まる。
「理科室…」
俺が立ち止まった場所は、校舎の2階にある理科室の扉の真ん前だった。窓は全て黒いカーテンによって遮られているから、外から中の様子を確認することはできない。
しかし、なぜかよく分からないが、とてもここが気になる。なんか変な感じ・・・
いや待て。よく考えたら、ここはどこかの部活の部室のはずだ。もしかすると、誰かが潜んでいるかもしれない。
危なかった。さすがに敵地に飛び込むような真似はしたくない。すぐにここから離れないと・・・。
そう思った俺が理科室を離れようとした矢先、後ろから何かが俺の腕を掴んだ。
「誰っ!?」
反射的に振り向いたが、時すでに遅し。口元にハンカチらしき物が当てられ、その後俺の意識は途絶えた。
*
どうして私がこんな競技に参加しているのだろうか。まぁ先輩方のほとんどが参加を拒否したから、1年である私に白羽の矢が立った訳なんだけど…。
「あんまり闘いとかしたくないな…」
私は平和主義である。戦争なんてモノはこの世には必要ない。喧嘩だって同じだ。あんなモノは必要ない。
平和な世界だったら、
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