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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第538話】
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今頃になって震えてきたみたい。 ……学園最強って謳ってるのに、今の私を見たら……皆どう思うかしら……」
自嘲気味に喋る楯無さん――表情を悟られないように俺に背を向けていた。
ベッドから起き上がり、カーテンを開いて俺は無意識に楯無さんを後ろから優しく抱擁する。
「ひ、ヒルト……くん……?」
「……大丈夫ですよ、楯無さん。 ……学園最強、その看板が皆が貴女を必要以上に期待してるとは思います。 ……だからといって弱い所を見られて離れていく人はいないと思います。 少なくとも、俺は離れませんよ?」
「あ……。 ……ば、ばか……。 お、お姉さん……を、口説くなんて……は、早いわよ……」
口説いてるつもりは無いのだが、強がりを見せる楯無さんに僅かに苦笑しつつ、更にギュッと抱き締めた。
「……人肌って落ち着くでしょ? ……よく親父や母さん、美冬に子供の頃からハグされてましたからね」
「……ぅん……。 ……君、だからかも……落ち着くのって……」
その言葉に、心臓の鼓動が徐々に高まっていく俺――。
楯無さんは顔を振り向くと、その瞳は僅かに潤みを帯びていた。
「……ヒルト君。 改めて言うけど……ありがと、助けに来てくれて」
「……ん……」
小さく頷く俺に、楯無さんは微笑む――気付くと俺と楯無さんの顔が近い事に気付き、一層胸が高鳴る。
「……ヒルト君、凄くドキドキしてるのがお姉さんにも伝わるわよ?」
「……し、仕方ないでしょ……」
「……ん、お姉さんも……ドキドキしてるの、わかる?」
俺の手に自身の手を重ねて、楯無さんは自分の胸の高鳴りを俺に感じさせる為か乳房へと導いた。
手のひらいっぱいに柔らかい感触が伝わると同時に、楯無さんの鼓動の速さも伝わってくる。
「……離れましょうか?」
「……もう少しだけ……このまま君を感じていたいな」
「わ、わかりました……」
吐息が唇に触れる――少し近付けばキスが出来るぐらいの距離――そして、どちらからともなく、気付くと口付けを交わしていた。
ほんの一瞬――触れる様な口付けに、俺も楯無さんも顔が真っ赤になり――。
「す、すすすみません! き、気付いたら……」
「う、ううん! お、お姉さんこそ、ご、ごごごめんなさい!」
互いに謝りあう俺と楯無さん、そして――互いにそれが可笑しくなり、笑いだした。
それから暫くして――。
「ヒルト君。 覚えてるかな、前に私が楯無っていうのは更識家当主の名前だって事」
「えぇ、覚えてますよ」
「よかった。 ……君になら、私の本当の名前、教えてあげてもいいかな。 ……
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